【感想】八木沢里志「純喫茶トルンカ」を読みました。美味しいコーヒーを飲みながら贅沢なひとときを

本日は、八木沢里志さんの「純喫茶トルンカ」という小説をご紹介させていただきます。

コーヒーお好きですか?

自分で豆を挽いて楽しむ方や好きなコーヒーを出してくれるお店に足を運ぶ人など、ひとそれぞれこだわりはあると思います。

私もコーヒーはとても好きで、自分のマイ”行きつけの喫茶店”というものが欲しくてよく憧れていました。

コーヒーを知り尽くしたマスターがゆっくりと淹れてくれる美味しいコーヒー、それぞれのお客さんが好きなことをしていて静かにゆったりと時間が過ぎていく純喫茶。

この本は、淹れたてのコーヒーの香りがページをめくるたびに漂ってきているのではないかと錯覚してしまいそうになります。

まるで私もその空間にいるような心地よい気分になりました。

純喫茶トルンカ (徳間文庫) 八木沢里志
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ストーリー

美味しいコーヒーが自慢のレトロな喫茶店、「純喫茶トルンカ」。

東京の下町に隠れるようにして佇むお店は、今日も、美味しいコーヒーの香りとともにゆったりとした時間が流れています。

偶然の出会いや運命的な再会をトルンカが優しく見守り、人々の悲しみ、寂しさ、そして成長を見届けていく温かいお話です。

こんな方におススメ!

コーヒーが好き

一人の時間を楽しみたい

キュンとする青春物語が読みたい

読みやすさ

ストーリー
(4.5)
構成
(5.0)
登場人物
(5.0)
Total
(5.0)

厚さも丁度よく、章が終わるごとに一区切りつく内容構成となっているので、あつあつのコーヒーで一息つきながらスラスラ読めます。

さらに、会話文も多いので物語に頭に入っていきやすいかと思います。色々なテイストのストーリーが楽しめるだけではなく、登場人物は共通しているので一人一人のキャラクターにとても親近感が湧いてくる気がしました。
私が注目してほしいのは、綾子とヒロさん、そして雫と浩太の何気ないやり取り。

何ともくすぐったくて思わずクスクス笑ってしまいそう。

感想 -お気に入りの言葉-

ここからは、私の個人的な意見や考えたことをそのまま書いてまいります。

特にこの本を読んでいて、心に残っている場面や言葉を抜き出していますのでネタバレが含まれております。

もし、まだ読んでいない方はもう一度ここに戻ってきていただれば幸いです。

そして、是非感想・コメントを残していってください。

第二章 再会の街

もしね、もし私たちがこの先、離れ離れになってしまったとしても、私はあなたと一緒に見たこの部屋からの夕空を思い出すわ。何年先にもきっと思い出すわ。だって、この美しい空は、二度と見ることができないだろうから。

ヒロさんが昔愛していた女性、早苗に言われた言葉である。

一瞬一瞬のヒロさんとの時間を大切に過ごしていた早苗の人柄が映し出されているような一文だなと感じた。

昨日と同じ空なんてない。その一瞬が二度と来ない思い出となる。

生きる希望を失いかけていたヒロさんだが、早苗の娘、綾子と言葉を交わすうちに生きていたい、綾子の成長を見守りたいと思うようになっていく。

綾子は変わった女の子だが、芯がとても強くしっかり地に足をつけ生きているという印象を受けた。外ではおちゃらけているような何も考えてなさそうなふるまいだが、ヒロさんよりもずっと大人でかっこいい。

女手一つで育ててくれた母親を亡くし辛かったという話をも明るく打ち明けてしまう彼女がどういう気持ちで今まで生きてきたんだろう。

第三章 雫の恋

いろんな思いがあるんだろうさ。だけど焦らないこと。自分を磨くってのにはすごい時間がかかるんだ

雫が自分を見失いかけている時に綾子や雫にかける台詞である。

私は、この雫の話が一番好きだし、心に残っている。

なんてまっすぐで素直な女の子なのだろう。

亡くなったお姉さんの元恋人を好きだと気づいてしまい、どうにか振り向いてもらおうと一生懸命な雫がとても可愛らしい。

お姉さんと同じ服を着てみたり、髪の毛を解いてみたりして好きな人の理想に向けて自分改造計画を始めだす。

私も含め、女性誰もが通ってきた道だと思う。

とても共感できて、なんだかくすぐったくなった。

そんな時に、小さい頃から雫を見てきた綾子や幼馴染の浩太に雫自身の魅力というのを気づかされる。

幼馴染とはこんなに身近で、なんでも言い合える楽な関係なんだと、雫と浩太を見ているとなんだか羨ましい気持ちになる。

そして、いつもバカなことばかり言っている浩太が雫を側で見守ろうとしている姿にハッとなる。この二人のその後のストーリーも読んでみたいなと思った。

最後に

数々のストーリーがあるなかで、マスターは変わらずいつでもみんなを笑顔で迎え入れ今日も美味しいコーヒーを入れている。

(そんなマスターにも壮絶な過去があるわけだが、、)終始心が温まるお話である。
是非、美味しいコーヒーを淹れて読んでいただきたい。

寒い季節に心から温まれます。

私も今から自分の行きつけの喫茶店を見つけに行こうかな。

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