【感想】森沢明夫「虹の岬の喫茶店」を読みました。感動作!

こんばんは、れんげです。
本日は森沢明夫さんの「虹の岬の喫茶店」という小説のレビューを書いていこうと思います。

美味しいコーヒーの香りが漂ってきそうな一冊です^^

ストーリー

小さな岬の先端にある喫茶店は、誰も気づかないような隠れたところにひっそりと佇む。

そのお店で働く悦子さんの淹れるコーヒーは、とっても美味しい。さらに、そこではお客さんに合った音楽を選曲し流してくれる。

訪れるお客さんは皆、彼女に癒され、心の傷をゆっくりと癒していくのだった。

喫茶店でゆっくり流れる時間の中、繰り広げられる人と人との出会いと別れを描いた感動の連作短編集。

こんな方におススメ!

・短編集が読みたい
・純度抜群の恋愛物語が読みたい
・喫茶店がテーマ
・読んだ後温かい気持ちに包まれる

読みさすさ

ストーリー
(5.0)

構成
(4.5)

登場人物
(4.0)

Total
(1.0)

第6章、四季をテーマとして構成されています。分かりやすい構成なので、休み休み読み進めていくのもいいと思います。

章ごとに主人公も変わっていきますが、短編ごとで内容の温度差が様々なので飽きません。

小説初心者の方でもカンタンに読めます。

途中、共通のモノ・人・場所が出てくるので嬉しくなったり、あぁなるほどこういう結末になったのか、など後からわかることもあるので楽めました!

見どころ

全作品とても素敵です。

短編集として書いてあるけれど、それぞれの話がうまい具合に関係しあっていて一つの長編を読んでいる感覚です。

章ごとに悦子さん選曲する音楽も絶妙に懐かしくて、好きです。もう一度聞きながら読もうかな、なんて。

終章、これまでの彼女とのギャップ…密かに衝撃をうけました。

感想

ここからは、私が個人的に気に入っている台詞や文を抜き出して自由に感想を書いていきます。

誤字脱字や稚拙な表現が目立っていると思いますが、よかったらどうぞ優しい目で読んでいただけると嬉しいです。

ネタバレを含んでいますので、先に読了をおすすめします。

人生なんとかなる

浩二の生き方、、結構壮絶でこれまで色んな苦難と哀しみと青春を経験してきた彼。

イマケンと釣りをしながら話しているときの浩二は異様に説得力があった。

そしてなんだか私の気持ちさえ軽くしてしまったような気がした。

ーーーーーーーーー迷ったときはロッケンロールの道を選ぶ。

すっかり安定が定着してしまっているこのご時世、ロッケンロールな道を選ぶと親戚から非難が上がり、余計肩身の狭い人生になりそうな気もしなくもない。みんなたぶん普通じゃないことにおびえている。

私はやっぱり、わくわくしたい!

一生懸命生きている、充実感がいつまでも欲しいと思ってしまう。

どんなこともやり方・努力次第で安定を勝ち取れるんじゃないかな。

悦子さんも第三章で言っていた。

間違いを犯す自由が含まれていないのであれば、自由は持つに値しない。。。ーーーーp173

泥棒さんに彼女が大好きなガンディの言葉だと言っていた。

自由とは何なのか。

人それぞれなのだろう。

悦子と浩二の持っている”自由”、”ロッケンロール”の考え方はとても好き。

もしいつか息子もしくは娘が迷っていた時にかけてあげたい言葉である。

悦子

これまでの章で、喫茶店で出会うお客さんに対しての悦子は、のんびりしていて楽観的で温かいイメージだったが、最終章の彼女だけ、どこか別人のようであった。とても人間味溢れていて、読んでいると胸がぎゅっと苦しく切ない気持ちになった。

時は流れ、浩二は家族を持ち悦子がおばあちゃんになっていた。

これまで明るく怖いもの知らずだった彼女も、やはり人間であり一人の女性だった。淋しさと怖さと不安を感じていた。

淋しさから自分を守る選択肢はこれまでいくつもあったであろうに、わざとこの人生を選んだ彼女。

亡くなった夫を想いつづける彼女たちの恋は本物だ。

いつか彼女の喫茶店に行ってみたいな。

魔法の呪文がかけられた、美味しいコーヒーを味わいに。

最後に

短編をお探しの方には、ぜひぜひ読んでほしい一冊です。

特にハラハラドキドキは無いけれど、何となく読んでいたくなる癒されるお話ばかり。

そして美味しいコーヒーが飲みたい!

今日はこのへんで

ありがとうございました。
れんげ

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