【感想】原田マハ「カフーを待ちわびて」を読みました。沖縄の魅力いっぱい!

本日は、映画で話題になった原田マハさんの「カフーを待ちわびて」という小説についてお話しします。皆さんもご存じかと思いますがコテコテのラブストーリーです。最後まで目を離せません。

そして、沖縄の文化、美味しい料理、自然の美しさがたくさん詰まっていて沖縄というイメージが風船のように膨らんでいきます。映画はまだ見ていませんが、小説版の素敵なところをシェアできたらいいなと思います。

ストーリー

明青が冗談半分で書いた絵馬がすべての始まりだった。
「嫁に来ないか。幸せにします」
あなたのお嫁さんにしてくださいと、突如現れた女、幸。
神様が連れてきた花嫁は一体何者なのだろう。

沖縄の土地開発と共に明らかになっていく明青の幼少時代。母との悲しい記憶。
明青は一体何を望んでいたのか。
奇跡と偶然が巻き起こす甘酸っぱい感動ラブストーリー。

こんな方におススメ!

・沖縄に行きたい!沖縄が好き!
・忙しい毎日から一息つきたい
・運命的な恋愛物語が読みたい
・沖縄の風習/文化が好き

読みやすさ

ストーリー
(4.0)

構成
(3.5)

登場人物
(4.0)

Total
(1.0)

沖縄の良さ(料理・文化・言語・土地)がギュッと詰まった長編小説です。(章分けされていないです。)

特に、都会っ子育ちの私には到底理解不可能なおばあの沖縄弁はとても新鮮でした。

全てカタカナ表記でしたので、少し読みづらい部分もありますが、脇に小さく意味が書いてあるので理解はできます。ご安心を。ストーリー展開は読者を飽きさせない出来事続きで最後まで目が離せないという感じです。
書籍の厚さは、そこそこありますが全く退屈しません。登場人物も沖縄ならではというか都会離れした性格の人たち、はたまた都会経験がある人の登場であったりと様々な価値観を感じました。

見どころ

個人的に気に入ったのは、おばあ(明青にいつも夕飯を作っている店裏に住む沖縄のおばあちゃん)と幸が仲良くなっていく様子がとても癒されます。

神のお告げが聞こえて、長年土地を一人で守っている立派で無敵なおばあも幸の前だと子供のように意地悪になっていて、そのギャップがとてもかわいいです。

それから、幸という女性がたまに明青にみせる悲しげな顔、意味深な行動は読者の興味をそそります。

同じ日本という小さい島国に住んでいるのに、こんなにも文化が異なるのかと感心してしまうほど沖縄の人々の暮らしが鮮明に描かれていて沖縄の魅力を文全体に感じれる作品です。

感想 -お気に入りの台詞-

ここからは、私が個人的に気に入っている台詞や文を抜き出して自由に感想を書いていきます。興味のある方は覗いていってくれると嬉しいです。

よろしければあなたの意見を聞かせてください。意見交換等していけると嬉しいです。

ネタバレを含んでいます。

もし、完読していない方はどうぞ先に読んでみてください^^

もし、気が向いたらこちらに戻ってきて頂けると幸いです。

幸の話

拓海君の誇りを取り戻してやるのよ。それが父親ってもんでしょう?

明青と同じく数少ない土地開発反対派の庄司の息子は、父親が反対派だからと学校でいじめを受けてしまう。靴を隠され裸足で帰ってきた息子をただ茫然と見つめる庄司と明青を幸が怒鳴る。

幸は、登場した時から不思議キャラであった。見た目はか弱そうで女の子らしい感じだが、実際はごはんを何杯もおかわりし木登りもこなしてしまうような活発ぶりだ。

おまけに料理がとっても苦手でスポンジを調理してしまうおっちょこちょいぶり。

この台詞を言っていたときも男性を差し置いて男の子の靴を探しに行こうと言い出した。私は彼女の芯の強さがとてもカッコ良く見えた。

彼女は人の気持ちを理解していて、親が子にとってどんな存在なのか知っていた。

この小説を読み終えすべてを知った上で再び振り返ってみると、どうしてこんなことを言ったのか理解できるようなき気がする。

この台詞を読んだとき、私は思わず涙が出そうになった。

拓海君は嫌がらせをうけ、お気に入りの靴を隠されて、それでもこの地にいたいと言ってくれている。
ほんとうにここが好きなんだと強く主張している姿を想像すると、胸が痛くなった。

子供のいじめというのは、どんな些細なことが原因で起こるか分からない。

私もいじめにあったことがあるので、拓海君の頑張りが目に見えるようだった。

最近は、書店に行くといじめの対処法だけでも一角を埋め尽くしていて驚かされる。

自分が親になった時にどうしてあげるのが子供にとって一番助けになるのだろう。

様々な方法、逃げ方などが世の中に蔓延っている中で、この幸の言動はとても熱く響いてきた。
—-子供の誇り、プライドを守るのが親の役目。

おばあの遺言

あぬアバサーを幸せにしてやれ。

病が発覚し、緊急入院を余儀なくされたおばあがやっと島に戻ってきた時に”幸を幸せにしなさい”明青に伝える。もう自分が長くないと分かっているからか自ら遺言という。

幸のことを気に入った素振りを一度も見せなかったおばあだが、毎日ごはんを一緒に食べ、幸からの無限の質問にも嫌々ながらでもしっかり丁寧に応えていたおばあ。

さらに、島から離れ入院しているときも付きっきりでついてくれた幸におばあは何を思ったのだろう。

今までの健気で強引な幸の行動、おばあの中の幸の存在が確実に変わっていっていたことが分かり明青の中で一気に何かが高まる気がした。

おばあらしい表現の仕方だな。あんなにツンツンしていたおばあでも、幸のことをちゃんと正面から見ていたんだなと思うとなんだか可愛らしい。

おばあの最後はなんだかあっけない感じだったが、これも著者の配慮なのだろう。神様は神様らしく静かにその土地で眠りにつく。

沖縄のおばあは朝ドラの”ちゅらさん”を見たりして勝手なイメージが頭の中にあり、なんとなく知っていた。

突拍子もなく神様からのお告げを言いだすところだったり、島の風習を何よりも大事に思っている。

知れば知るほど温かい。幸があんなにおばあにくっついていたい気持ちが分かるようなきがする。

最後に

まだまだ深堀したいシーンはありますが、次回また読む機会があった時にここに追記していきたいと思います。

沖縄は人も時間もゆったりと流れていて、都会では決して味わえない空間があるんだろうなと完全に魅了されてしまいました。

これから映画を見ようと思いますが、幸や明青、おばあがどんな印象で私に映るのか楽しみです^^レビューも書けたらいいなと思います。

みなさんも映画と小説、両方を楽しんでみてくださいね!

ありがとうございました。

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