【感想】森絵都「カラフル」を読みました。もし、もう一度人生をやり直せるとしたら。

本日は、森絵都さんの「カラフル」という小説をご紹介いたします。黄色と白い雲の表紙にそそられ、気が付いたら手に取っていました。なんとなくの直感で私を明るい気持ちにさせてくれそうな気がしたのです。いざ読み始めた時は、出だしから非現実的ぶりに吹き出しそうになったことはここだけの秘密で。

カラフル (文春文庫) 森絵都
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ストーリー

「当選に当たりました。おめでとうございます。」と唐突に言われる、死んだはずの僕の魂。生前に、少年は何らかの罪を起こして死んでいったのだが、この当選で再挑戦のチャンスを与えられる。条件は、真の体として生活し生前の罪を思い出さなければいけない。

少年が起こした罪とは一体なんだったのか。他人になって初めて見えてくる身近な人たちの良いところ。そして、深まっていく関係。世の中はこんなに、優しくて温かい場所だったのか。自分自身を受け入れ、人を好きになっていく少年の感動物語。

こんな方におススメ!

・小説初心者

・異世界設定が好き

・家族と分かり合いたい

・変化への一歩を踏み出したい

・青春を味わいたい

読みやすさ

ストーリー
(3.0)
構成
(3.5)
登場人物
(4.0)
Total
(3.5)

とても物語性があり、一度入り込んでしまうと一気に読んでしまいたくなる一冊です。章や項目分かれしていませんが、スラスラ読めてしまいます。取り扱っているテーマや構成を見ると初心者の方や、比較的若い年齢の方に親しまれる小説かなという印象を受けました。

みどころ

私が気になったのはサブキャラのプラプラ。この意味不明で適当な名前の天使が良い役回りを果たしていくんですよ。物体を想像するのに時間がかかりました。名前は可愛いのに物語の中のキャラクターは、年上の男の人のようで大雑把な感じで楽しいんです。それから、真(少年が乗り移った体)の家族の関係の変わり方にも注目して頂きたいです。普段、自分の家族が何を考えているのかなんて考えようともしないと思います。いろんなことに気づかされます。

最後のあの展開は読めませんでした。単に私が単純すぎて頭の回転が速くないだけかもしれませんが 苦笑

内容の筋が通っていて納得できる良いエンディングです。

感想 – お気に入りの言葉と共に-

ここからは、私が個人的に気に入っている台詞や文を抜き出して自由に感想を書いていきます。興味のある方は覗いていってくれると嬉しいです。そしてさらに、コメントを残してくれるとありがたいです。ぜひ、あなたの意見を私と共有してください。

ネタバレを含んでいます。もし、完読していない方はどうぞ先に読んでみてください^^もし、気が向いたらこちらに戻ってきて頂けると幸いです。

臆病者

ぼくはべつに賢く生きたいわけじゃないんだ。なにかに勝ちたいわけじゃないんだ。そんなふうにさ、わかったような顔で、だれかにほめられたいわけでもないんだよ。

真の好きな人、ひろかが中年男性とホテルに行くのを強引に阻止するが、あっさりとひろかはその男の人のところへ戻ってしまう。それを追うことも出来ず、ただ茫然と一人取り残される真がつぶやく。生まれ変わったんだし、長くても一年の体。何をやってもどうせ真の体なんだからと思う少年の魂だけど、、、偽善者になろうとしてるのか、ひろかに好かれ感謝されたいのか、分からなくなり自分に苛立ちを感じる。そして、自分は臆病者なんだと気づく。

本当の自分も真のように臆病者だったんじゃないかと落胆しているように私の目に映った。

ただ、この出来事は真をほっとけないという少年の優しさが見えた気もして、彼の前世の罪がどういうものだったのか余計に興味を掻き立てられた。きっと、人殺しとかそういうのではない。

彼の言葉は私の心をつかんだ。スゥーッと入ってきた。私もきっと同じことを思ってたんだ。

別にヒーローになりたいわけじゃない。自分が正しいと思うこと、考えていることをはっきりと相手に伝える勇気が欲しい。私の場合は、他人に自分がどう思われるか考えてしまい怖くなってしまう。それではだめだと気づいていてもなかなか上手くいかないこと、私の今までの人生で何度も真のような思いをした覚えがある。

カラフル

人は自分でも気づかないところで、だれかを救ったり苦しめたりしている。

この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはいつも迷っている。

ひろかが自分自身をコントロールできずに見失いかけているシーン。これは、私も経験したことがある。ひろかほど行動に移することはしなかったけれど。きっと成長していく上で誰しもがぶつかる壁なんじゃないかな。。

自分との葛藤。

誰かをうんと傷つけたくなって後悔が襲ってきて自己嫌悪に陥って、どうでもよくなる。その繰り返し。

生物学的に言うと、思春期に起こるホルモンの活発化。心も大人になるための準備が必要なのだろう。

成長するため、安定した自分だけの色を見つけるために必要な過程だと思いたい。

「みんな狂ってるからひろかだけじゃないよ」そういってくれる真がとても頼もしく、そうやって受け止めてくれる存在がいるひろかをうらやましいと思った。

色づくり

今日と明日はぜんぜん違う。明日は今日の続きじゃないんだ

毎日挑戦していいし失敗していいし後悔もしてもいいんだなと思えてくる。そう考えただけでなんだか自然と身軽になり、新しいことにも挑戦できるし、嫌なことも乗り越えそうな気がする。

そうして頑張った記憶、失敗した記憶は後々これからの”自分色作り”に役立てていけばいいのかな。私の大好きな言葉。

最近本を読んでいて思う、「何事も物は考え用」ってこと。

同じ出来事でも人によって何通りもの受け取り方・考え方が存在し、それは正反対の結果を生むことだってある。

どうせなら、少しでも喜んでいたいし幸せな気持ちでいた方が得じゃない!そう考えるようになれた気がする。

最後に

老若男女問わず割と楽しめる物語だと思うが、登場人物の年齢に近い中高生たちに読んでほしいです。

家族に反抗してしまったり、友達と上手くいかなかったり、自分に自信が持てず心に蓋をしてしまったり悩みは人それぞれだと思います。状況は同じでなくても何かしら響いてくるものがある小説です。

私もとても共感でき、明日からの生きるエネルギーにもなったと思います。

是非、読んでみてください。

あ、それと、アニメ化もされているそうなのでそちらも見ようかなと思っています。

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