カフェで静かに本を読むのは、一人で過ごす時間を楽しむこの上ない贅沢ですよね。
普段からあまり本を読むことはないけれど、カフェでの読書って憧れませんか?
誰かを待っている時間、
アルバイトや仕事の休憩中、
仕事終わりのコーヒータイム、
人それぞれカフェを利用する目的や時間は異なりますが、
カフェで読む小説は、日常の喧騒から離れて、別世界に没頭できる絶好のチャンスです。
しかし、何を読むか迷ってしまうこともあるかもしれません。
そこで今回は、カフェで読みたいおすすめの小説をご紹介します。
誰でも楽しめるとっておきの作品リストです。
れんげ
この記事を書いている私は、年間読書量250冊の小説好きインドア女子です。私が本を読んで感じたことをそのまま書いています。本選びの参考にして頂けたら嬉しいです
・隙間時間でさっと楽しめる手軽な一冊が欲しい
・カフェでも没頭できるような面白い作品に出会いたい
コンテンツ
カフェで読みたいおすすめ小説- ちょっとした空き時間に-
れんげ
一杯のココアから始まる心温まる人間模様 「木曜日にはココアを」青山美智子
どのお話もほどよい甘さ加減で、あなたの心を温めてくれます。
舞台はマーブルカフェから始まりーー海外のオーストラリアへーーそしてまた、マーブルカフェへ戻ってくる。
次は誰が主人公になるんだろう。どんなお話なんだろう。
ワクワクしながらページをめくるのが待ち遠しくなる、そんな一冊。
ロマンチックな恋のお話や想像するだけで心が浄化されていくような癒されるお話、今よりちょっと前向きになれる元気がでるお話など、するすると繋がっていく人間模様が心地よく心に染み渡ります。
ひとつひとつの話のボリュームもちょうどいいので、隙間時間読書にぴったりです!
いろんな人の生き様に出会える「海」小川洋子
私たちの生活の中で忘れ去られてしまった気持ちや物事を静かに掬い取っていく著者の描写に、つい時間を忘れて読み耽ってしまうのです
何かを長く続けている人が登場する小川洋子さんの短編集。
バスの運転手、ドアマン、観光ガイド…私たちの日常の中でよく目にする職業もあれば、今まで見たことも聞いたこともない、想像もつかない職業が出てくることもあり、次々と興味を掻き立てられるのがこの作品の魅力。
読書の醍醐味のひとつ、「妄想する時間」を楽しみたい方にぜひ読んで欲しい作品です(*´꒳`*)
本が好きな方へ「最近、空を見上げていない」はらだみずき
出版社営業マンの作本さんがメインですが、彼が関わる作家さん、編集者さん、書店員さんなど様々な物語が収録されている連作短編集。
普段私たちが手に取る本の裏側、出版社・書店サイドのストーリーを覗けます。
売れ行きが悪化していく地元の小さな書店、今では本も電子化されつつあり紙の本から離れようとしている人もいますね。
書棚の前で頬に涙を流している女性書店員はなぜ、泣いていたんでしょう。
私たちにできることは限られている、それでも上を向いてみることに意味がある…
素敵なお話ばかりです。常日頃、本をよく読まれている方はぜひチェックしてみてください^^
カフェで旅行気分を味わう「スーツケースの半分は」近藤史恵
感動のラストと共に新しい自分探しに出たくなる、ワクワクする作品です
幸運と呼ばれる青いスーツケースで繋がる9つの物語。
まるでバトンリレーのように、スーツケースがアラサー女子4人それぞれの幸せを見つけるお手伝いをしてくれます。
日本でも外出や旅行がやっと自由にできるようになりましたね。
人によって、旅行の過ごし方や楽しみ方はそれぞれで、その人の生き方や考え方も反映されているのかもしれません。
自分だったらどう過ごすだろう、また旅行に行きたいなーなんて考えたくなる1冊です。
大きめのコーヒーと共にじっくり考えながら楽しむ読書タイム(人生観を広げる)
れんげ
今の自分の生活や人生観とじっくり見つめ合う時間を過ごしたい、
そんな方に向けて、スケール大きめ+好奇心をそそるテーマを扱う小説をご紹介します。
いつまでも満たされない自分と向き合う「空白を満たしなさい」平野啓一郎
3年前に自殺して死んだはずのサラリーマン、土屋徹生(36)。
目を覚ました彼は、自宅の前に立っていた。世界各地で、死んだ人間が生き返る「復生者」のニュースが報じられ、自分もその一人だと悟った徹生が、家族や職場、そして自殺した自分自身と向き合っていく物語。
想像以上の奥深さに面食らいます。さまざまな表裏をもった人々が登場し、幸せ・死に対するたくさんの価値観と遭遇することになるのですが、オカルト過ぎず、人間の本質にぐいぐい迫っていく描写にあっという間に本作に引き込まれていきます。
著者、平野啓一郎さんの幸福論・分人主義とはどういうものなのか、ぜひこの機会に手に取ってみてはいかがでしょうか。
下巻はこちら→
正解も不正解でもない生き方とは「トリニティ」窪美澄
三島事件、日本赤軍、ギャルソン、バブル…
女性が外で働くということに周囲からの非難を受け続けてきた環境を生き抜いてきた境遇も才能も価値観も全てばらばらの3人の女性の半生を描いた壮大な物語。
「男・結婚・仕事・子供、全てを手に入れてみせる。」
現代を生きる孫娘自身の就職の話も出てきます。
現代を生きる20代として、祖母たちとは異なる生きづらさを感じている—。
自分はこの先どんな生き方をしたいのか、何を選択していくのかを考えさせられます。
特に女性読者におすすめしたい作品です。
人との出会いで何かが変わる人生「アフターダーク」村上春樹
何が起こるかわからない、普段交差することのない直線が交わる人間関係に魅力を感じます
自宅で眠り続ける双子の姉を持つマリが体験する出来事が静かに綴られる、夜が明けるまでの物語です。
突然、語り手が第三者(神目線?)になったり、村上春樹さん独特の比喩表現が登場したり唐突にシーンが切り替わったり。論理的な読書を好む方には向かないかもしれません。
文章から読み取れる登場人物の心情を想像する”作業”が好きな方はぜひ読んでみてください。
これまでの思い出や誰かとの偶然の出会いについて思いを馳せてみたくなる作品です。
家族の繋がり方について考える「ヤモリ・カエル・シジミチョウ」 江國香織
人の心の成長や変化は喜ばしくもあり、どこか寂しい。自分自身を理解できていない大人、そして真っ直ぐな子供たちの心情描写が繊細に表現されています。
言葉を発さず、虫や植物と意思疎通ができる幼稚園児の拓人、
弟を一生懸命守ろうとする姉の育美、
恋人との時間を優先させ家に帰ってこない父、
父の帰りをただ我慢しながら待ち続ける母。
どこか危うく、壊れてしまいそうな一家と彼らの周りの大人たちの生活の様子を描いたお話。
家族になっても血が繋がっていても、心が100%通じ合えるものでもない。たとえ言葉を使っても理解してもらえないことありませんか?
本作では、大きな事件も起きないし血が流れるような修羅場もありません。
日常が淡々と過ぎていく中でゆっくり起こっていく夫婦間のズレや子供の成長を目の当たりにしていきます。
読者が気づくか気づかないかの微妙なところが、とてもリアル。
親子・夫婦・その他あらゆる人間関係について考えてみたくなる作品です。
周囲の声が気にならないくらい夢中になれる小説
れんげ
誰も責めることができない!ストーリー性高のホラー「十三番目の人格」 貴志祐介
最後まで目が離せないハラハラドキドキホラーをお楽しみください
人の感情が読み取れる「エンパス」という能力を持つ主人公、由香里は
阪神淡路大震災のボランティアで被災者のカウンセリングを行なっていた。
そこである日、両親を亡くし虐待を受けいつの間にか多重人格となってしまった少女と出会う。
少女を救いたいと、何人もの人格とやり取りをするようになった由香里は、少女の中にひとりだけ殺人者のような悪魔の人格を見つけてしまうのです。
行動心理学・生物学視点からみた多重人格の見解がとても分かりやすく面白く描かれています。
グロいホラーではないので、ゾンビやリングが嫌いな私でもかなり面白く読めました。
自分の中の人格同士の関係性、多重人格の中に存在する役割などなど興味がある方は手に取ってみてください。
誰もが抱える闇を奥深くミステリアスに描いた物語「あの日、君は何をした」 まさきとしか
何かに縋っていないと精神をおかしくしてしまうほどの悲しみ。
この結末は、予測できない。
15年前の15歳の少年の死。彼が深夜に外に出かけていった理由は何だったのか…
なぜ彼はあの日死ななければならなかったのか—。ある新婚夫婦の夫の行方不明からはじまり、15年前の事件、一時容疑者扱いされた少年の死。三ツ矢刑事の不思議で哀しい過去と共に事件の真相に迫っていきます。
亡くなった息子のお母さんが語り手になったり、同級生の女の子が語り手になったりといろんな視点から事件の真相が明らかになっていく構想がとても面白いです。
辛さや悲しみ含めた登場人物の心情描写も細かに描かれていて、あまりにもぬけ穴をついてくるので、読み終わったあとしばらく放心して動けなくなりました笑
家族ごっこをする父親の心理とは「RPG」宮部みゆき
宮部みゆきさんの読みやすい現代ミステリー
住宅地で起きた殺人事件。殺された男性はインターネットの掲示板上で「疑似家族」を作っていたのです。舞台は、取調べ室。本作は密室で行われる会話から事件の背景や細かい人間関係がはっきりと見えてきます。
取調室の中の緊迫した空気やそこで繰り広げられる心理戦がとにかく面白い。
読み進めるほど…この物語は、単純じゃないと気付かされます。
「こういう家族がほしい」って願望は誰にでもありますよね。でも自分の家族が他人と家族ごっこをしていたら複雑です(^^;;
狂気的な女性たちの犯罪「OUT」桐野夏生
女性たちの心理描写がとても異常で、深い闇を感じる作品です
43歳、弁当工場の夜勤パートをしている主婦、雅子。コンビニ弁当を作る工場で働く中年の女性たちが、それぞれの家庭で悩みをかかえている。それはやがておぞましい殺人へと発展していきます。見えない何かで強く結託した彼女たちの心理に迫っていく犯罪小説です。
結末を楽しむというよりは、その過程に注目して欲しい。
そして桐野夏生さんの読者の魂をえぐっていくような描写力に圧倒されます。
仕事終わりの一服コーヒータイム読書に
れんげ
もし突然死の宣告をされたら「死神の精度」 伊坂幸太郎
死神が人間に死の審判を下すまでの7日間、
さまざまな人生を今まさに生きている人間に密着していく連作短編集。
人間に死の宣告をする恐ろしい存在のはずなのに、人間に興味津々。
どこか愛嬌があり、読者を笑わせてくれます。
テーマは「死」なのですがそれほど重くなくて、
私が死ぬ時は、いつ・どんな時・どんな気持ちで..死んでいきたいだろうと、ふと思いを巡らせてしまいそうになる作品です。
仕事終わりのリフレッシュに、ダークでコミカルな一冊はいかがですか。
コーヒー片手にカフェ小説を読む贅沢「珈琲屋の人々 」池永陽
東京・下町商店街にある「珈琲屋」。
“人を一人殺めたことのある”主人がいるそこは…
心に傷を負った人々が訪れては、主人に悩みを打ち明け始める—-。初恋から再恋まで。
熱いコーヒーが本当に飲みたくなってくる連作短編集です。
ゆっくりじっくり、文字を目で追って楽しむ「フィンガーボウルの話の続き」 吉田篤弘
「世界の果てにある食堂」について物語を書こうとする私(吉田氏)が文学の先生に相談をもちかけたことがきっかけで始まる16の物語。いつまでも気持ちのいい余韻の残る一冊です。
お仕事帰りのホッと一息読書に。
強烈な恋愛小説「ツイラク」姫野カオルコ
昭和の時代を背景に描かれる、女子中学生の隼子と男性教師・河村の恋愛物語です。主人公の小学2年生の人間関係から大人になるまで。そしてそれに絡めて教師との許されない恋。
ドロドロの恋愛観や人間の奥底にある”寂しさ”が生々しく描かれていて衝撃です。
刺激的な描写が含まれているので、大人向け..だと思います😉
物語にハラハラしながら、コーヒーと一緒に楽しんでみてください。
冒険好きのロマンにどっぷり浸る「旅のラゴス」筒井康隆
文明を失い、その代わり超能力を獲得した世界でひたすら旅を続ける主人公のラゴス。
奴隷として働かされたり、王様になったりと何度も死と隣り合わせになりながらも…旅をしたいと思う彼の目的はなんだったのか。
生涯をかけた、ラゴスの波乱万丈の旅が始まります。
12編からなる連作短編なので、休憩を挟みつつ余韻をしっかり楽しみながら読み進めてみるのもいいと思います。
これまで読んだことのないジャンルに挑戦してみる
ここまでは、誰でも比較的読みやすく楽しめる近代文学作品を中心にご紹介してきました。
もちろん、趣味嗜好は人それぞれ。新しいジャンルに手を伸ばしてみたり、今まで何となく避けてきてしまった作品にも挑戦してみるのもいいと思います。
新しいジャンルとの出会いは、知らない自分の発見にも繋がりますしワクワクしますよね^^
名作文学
純文学や古い作品って、哲学的で難しそうなイメージがあってなかなか手を出せない方が多いと思います。
ですが、静かで落ち着いた雰囲気漂うカフェで読むことで、これまで見えてこなかった魅力・面白さに気づいたり、深い思考に耽れるチャンスかもしれません。今回は、普段あまりこのジャンルを選ばない初心者でも読みやすい作品をピックアップしました!是非この機会に挑戦してみてはいかがですか。
このタイトル、耳にしたことがある方が多いと思います。
詩人・童話作家である宮沢賢治の代表作。銀河の旅のなかで主人公のジョバンニと親友のカムパネルラがさまざまな人に出会い、
「ほんとうの幸せ」は何かを見つめ直していく..壮大な宇宙と死生観を描いた物語。
ミュージカルでもよく取り上げられている本作はとても馴染みやすく幻想的です。
第一夜から第十夜までの様々な「夢」について描かれた短編小説です。
ロマンチックな物語からゾッとする怪談ものまであらゆる雰囲気を持ち合わせた本作は飽きずに気楽に楽しめます。
教科書などでよく登場する作品です。
舞台は平安時代末期。人間の利己的な内面を深く深く掘り下げていてとても読み応えがあります。
私たちが生きる現代社会にも十分当てはめられる内容なので遠巻きになりすぎず、いろんなことに気づかせてくれます。
海外ミステリー
甘いスイーツやコーヒーと一緒に、緊張感あふれるストーリーに没頭してみませんか。
孤島に招き寄せられた、たがいに面識もない、職業や年齢もさまざまな十人の男女による生き残りをかけたデスゲーム。
童謡の歌詞通りに一人ずつ殺されていく事実に怯えながら犯人を推測していくハラハラドキドキのサスペンス!古典小説とは思えない設定と物語の構成に圧倒されます。
ルーヴル美術館を舞台に繰り広げられる殺人事件。
映画化もされた有名作品です。
スピード感あふれるストーリー展開がとても面白く様々な要素(歴史や宗教、芸術的観点)が盛り込まれているため教養面でも読み応えがあります。
最後に
カフェで読むのにおすすめの小説をご紹介してきました。カフェを利用する目的に合わせて本を選ぶのもまた楽しみのひとつだと思います^^
日常から離れ、別世界に没頭できる贅沢な時間を
お気に入りの本と共に過ごされてはいかがでしょうか。
最後までご覧頂きありがとうございます。
今日も素敵な読書時間をお過ごしください♡
れんげ
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