【感想】有川浩「フリーター、家を買う」読了。落ちこぼれフリーターが家族を救う!

こんにちは、れんげです。

今日は、有川浩さんの「フリーター、家を買う」という小説を紹介したいと思います。

有川浩さんは胸キュンの恋愛ものというイメージが強いのですが、本作品は“仕事”、“家族”がテーマな気がします。

読んだ後は、温かい気持ちになりました。

ストーリー

就職したばかりの会社を自分に合わないという理由で辞め、親の脛を齧りながらアルバイト生活をして暮らす主人公・誠治(25)。

そんなどうしようもない誠治が母親の病をきっかけに、180度自分を変えようと粉骨砕身していく。

就職活動に、バイトに、親子関係の修復に….大切な母を救うため必死に毎日を生きる若者の奮闘記。

仕事のやり甲斐って?

人と上手く付き合うにはどうすれば?

自問自答し社会への復帰と家族の再生していく過程を描いていく愛情たっぷりの長編物語。

こんな方におススメ!

・就活で苦労した経験がある
・仕事にやりがいを見つけたい
・親となかなかうまくいかないことがある
・家族の絆、家族愛がテーマの小説が読みたい
・サクッと分かりやすい物語が読みたい

読みやすさ

ストーリー
(4.0)

構成
(5.0)

登場人物
(4.0)

Total
(1.0)

有川浩さんの作品は、物語のテーマも登場人物のキャラクターも若者向けで分かりやすく読みやすいです。

会話文が非常に多く含まれていて、五章+ おまけ付きで構成されています。

本の厚さの割に、順を踏んだ内容構成ですのでスラスラ読み終えてしまいます。

初心者の方にも是非おすすめの一冊です。

見どころ

アルバイト先で出会う同僚のおっさんたちが誠治の相談に乗っている場面はとても心に残っています。

私の中で土木作業をしている人はとても怖そうなイメージを持っていましたが、情が熱くて熱心にアドバイスをしている様子や、彼の話を聞きに楽しみに集まってくる様子を想像するとなんだか可愛らしく思えてきます。

そして、彼らのアドバイスは何とも適格で誠治を正しい方向へいざなっているところは読んでいてとても気持ちがいいです。

感想

ここからは、私が個人的に気に入っている台詞や文を抜き出して自由に感想を書いていきます。

誤字脱字や稚拙な表現が目立っていると思いますが、よかったらどうぞ優しい目で覗いて行ってくれると嬉しいです。

ネタバレを含んでいますので、先に読了をおすすめします。

父親

誠治の父・誠一は、母の治療を進めていく上で姉と誠治にとっての大きな壁となっていた。

日本文化のお父さんの象徴のような誠一の言動は、私の父とどこか似たような部分がある気がした。

でもこの本を読んでると、頑固な父親もロボットではなく一人の人間ということが伝わってくる。

彼なりの根拠があるけど言葉で上手く表現できない。

感情とプライドが勝りカッとなってしまい思いもよらないことを口走ってしまう。とか。

そして何より変化を嫌う世代。

土木現場のおっさんが誠治にアドバイスしていたように、変化を嫌うというより、「怖い」んだ。

とても納得した。

あぁ、うちの父さんもそうなのか。

お前の親父は手強いぞ。けんど、プライドの高い男は扱いやすいところもある。上手に扱え

という台詞を思い出す。

そう、誠治みたいに父親を攻略すればいいのだ。

子供たちが要領良く動き、家族みんなが笑っていられる環境をつくる。

家庭の中の子供の役目という気もしてくる。

昔、母さんがどんな顔して笑ってたか忘れないでくれよ。こんなもんでいいだろうとか家族に見切りをつけないでくれよ。ーーーーーーーーー俺は、せめて母さんがまた笑ってくれるようになってほしいよ。(p295)

誠治が誠一に言い放つ。

誠治の家族を見ていると誠治と姉の言動は、面白いくらいに父の誠一の行動を変えていく。

誠一もやっぱり家族を心配している、家族っていいな。と思わせてくれる。

感情と感情のぶつかり合いが生む強い絆。

やはり言葉の力は凄まじい。

“言葉を交わさなくても理解できる関係”になりたいとか、よく言うけど

一緒にいる期間が長ければ長いほど言葉にするって大切だと思う。

伝えないと伝わらないし、伝えることができなくて後悔するのは絶対にいやだ。

この小説は、私にこれからの家族との関わり方についてヒントをくれたような気がした。

余談だが、お父さん攻略本とかできたら世の母親はストレスフリーになるのだろうか。

私の母親を見ている限り、彼女のストレスの50%..いや70%は除去できるかもしれない。

ふと思った。

最後に

この物語は、読者をフリーターに限定せず、多くの人が読むべき大事なことを教えてくれる。

読みやすいのに、心にガンガン響いてくるものがある。

おススメの一冊です。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

れんげ

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