【感想】恩田陸の「六番目の小夜子」読了。鳥肌がとまらない!

本日は、恩田陸さんの「六番目の小夜子」を紹介していきます。

この小説は、恩田陸さんの初期の作品であり、とても貴重に感じます。なんたって、発売早々絶版になったとか。

彼女は、”幻の小説”と綴っています。

幼い頃、NHKドラマ「六番目の小夜子」をテレビで熱心に見ていたのを思い出し、なんだか懐かしく思い手に取っていました。

当時の内容は全く覚えていないのですが、怖くて毛布にくるまり隙間からのぞき見していた気がします。

本作品でも、やはり不気味さや怖さを感じました。

読了した後でも、なんだか不思議なもやもやが残っているような気分です。

思わず最後の恩田陸さんのあとがきと岡田幸四郎さんの解説に飛び込んでしまいました。

六番目の小夜子 (新潮文庫) 恩田陸
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ストーリー

その高校では、奇妙なゲームが受け継がれていた。

三年に一度、サヨコという役が必ず誰かに回ってくる。

ランダムに選ばれたその年のサヨコは、誰にも知られずにある仕事を全うしなければならない。

今年は六番目のサヨコが選ばれるのだが、計画外の事態が起こる。

「サヨコが二人…?」

その真実とは。

闇ファンタジーテイストの学園ミステリー。

こんな方におススメ!

・ミステリーがすき
・学園ものが読みたい
・一筋縄ではいかないような物語が読みたい

読みやすさ

ストーリー
(2.5)
構成
(3.0)
登場人物
(4.0)
Total
(3.5)

本の厚さはどちらかといえば薄い方ですが、やはり恩田陸ワールド。一筋縄ではいかないようです。

謎に包まれた部分がちらほらでてきて、読了後にさらに興味を掻き立てられます。

高校が舞台となっていて登場人物は青春真っただ中の高校生。とても馴染みやすいと思います。

構成は、とても分かりやすく季節で章分けがなされていますし、難しい言い回しなどが無いので読みやすいです。

見どころ

やはり、「秋の章」の学園祭のシーンでしょうか。臨場感あふれる文章と登場人物らが感じている緊張感がこちらにも伝わってきます。

先の展開が気になり、気づいたら読むスピードが異常なくらい速くなっていました。

ミステリー好きな方や日本的なホラーが好きな方はわくわくすると思います。

それから、小夜子の不気味さとは裏腹に、雅子と由紀夫の純粋すぎる恋の展開は胸キュンものです。

感想

ここからは、私が個人的に気に入っている台詞や文を抜き出して自由に感想を書いていきます。

誤字脱字や稚拙な表現が目立っていると思いますが、よかったらどうぞ優しい目で覗いて行ってくれると嬉しいです。

ネタバレを含んでいますので、先に読了をおすすめします。

深まる謎

この小説の大まかな内容は読者の誰もがスーッと把握できただろう。
ただ、個人的に未解決というかすっきりしない点が何点かあったのでここに記しておこう。

”犬の存在”
まず、小夜子が雅子を逃がし男子校の生徒らに囲まれたシーンに登場する。

そして、次に部室に火をつけられ秋がマニュアルを守ろうとしている際にも黒くて狂暴な犬たちが現れる。

この”犬”というのは何かの象徴だったのだろうか。
動物に好かれるという小夜子が本能的に呼び寄せてしまったとしても、秋を襲う場面で辻褄が合わない。

また、二番目の小夜子の仕業なのかとも考えたが彼女の事故は交通事故と書いてあったので、特に犬が関係していたわけではないようだ。

恩田陸さんはこの時、”犬”をどのように使っていたのだろう。

”黒川先生”
彼らの担任である黒川先生。私はすべて彼の思惑ではないかと踏んでいる。

二番目の小夜子の存在も多きいが、学園祭の演劇のセリフ、彼が秋に放った言葉、ワープロのマニュアルなど合点がいくような気がした。

でもな、キレイにまわっているコマっていうのはなかなか強いもんだぞ。外から石が飛んできても、はじきとばしちまうくらいにな。

この外からの石というのは規則に背いてマニュアルを覗こうとしていた秋に対しての挑発なのか。

それとも、津村小夜子のことなのか。

実際、津村小夜子がこの高校へ転入してきたのは彼女あてに届いた一通の手紙からだと明かされている。

これもきっと黒川が自ら送付したものではないかと思う。

黒川は、学校というコマをキレイにまわすために小夜子ゲームを学校の伝統として仕掛け、毎年観察していたのか。

二番目の小夜子と同姓同名の津村小夜子をわざわざ外部から呼び寄せ、蚊帳の外から見物していたのではないか。

でも、ここで疑問なのが秋と小夜子が火事の時にみた屋上に立っていた女である。

彼らは二番目の小夜子と言っていたが幽霊の仕業だったのか。

+α
小説の最初と最後は同じ文章が並べられている。

この”彼ら”は、何を指しているのだろうか。最後まで読んでみて何となくイメージしてみた。

この高校・つまり学校(教員など含めた)のことを指しているのではないか。

皮膚の下の新しい血液というのは三年ごとに入れ替わる生徒たち。

様々な憶測が頭の中をめぐり、それもまた恩田陸さんの作品の面白さだと思っている。

もしかしたら余韻に浸っている時間の方が読書の時間より長いかもしれない。

最後に

恩田陸さんはあとがきで、”この物語は衝動的に書き上げたもの。そして、私らしさがつまった作品”というようなことを言っています。

彼女の頭の中はどうなっているんだろう。普段の生活のなかで物事をどのようにとらえているのだろう。と興味がわいてきて、彼女の世界観の未知さが伺えます。

彼女は様々な分野の物語を書いていますので、色んなジャンルも読んでみてはいかがでしょうか。

最後まで読んで頂きありがとうございます。

れんげ

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