【没入感◎おすすめ小説】食と環境の崩壊連鎖を描いた驚愕の長編サスペンス「ブラックボックス」篠田節子

【おすすめ小説】一気に読める面白さ。社会派サスペンス

法も反してない、毒物として認められてない、
被害も犯人も特定できない中で

それでも急速に蝕まれていく私たちの体。

日本の農業を変えたい野菜生産者、
会社の不祥事で身を追われ、サラダ工場で働き始めたパートタイマー、
子供の安全を守りたい栄養士、

大企業と、洗脳されつつある地元民を相手にした
無謀とも言える彼らの犯人探しが始まる。

れんげ

こんにちは、れんげです
この記事を書いている私は、年間読書量250冊以上・小説好きのインドア女子です。このブログでは、私が本を読んで感じたことや心からおすすめしたい物語をご紹介しています。本選びの参考にして頂けたら嬉しいです

今回読んだのは、篠田節子さんの『ブラックボックス』です。

ハラハラドキドキ
(4.0)

読みやすさ
(3.0)

没入感
(4.5)

全体の評価l
(4.0)

こんな人におすすめ
・没頭できる長編が読みたい
・視点を変えれば悪と正義が逆転する展開が好き
・教養のある読書がしたい
・日本の食/農業の実態について知りたい

国産野菜の「安心・安全」が指す本当の意味とは【感想】ネタバレなし

これを読んでまず思ったことのは、

「これがフィクションでよかった」でした。

テーマは食の安全、日本の農業。

あーオーガニックね、無農薬ね、国産は安全だよね、
…と思った時点ですでに私たちは、負の食物連鎖に洗脳されているかもしれません。

厚生省の「安全とされている」表示と本当の意味での「安全」
その大きな落差に驚愕する。

企業側のコスト削減と利益拡大
そして消費者側の満足度、
“安さや美味しさ”を追求するあまり

法に触れないギリギリラインで製品が開発され店頭に並べられていく現状がそこにはありました。

野菜に魔法を吹き込む謎の液体
何の肉からできているのか見分けがつかない粉状のタンパク質

直接的には害はないかもしれない、
だけど毎日毎食食べていたら。

日本の農業の未来のために今を犠牲にするか、
今の食の安全を守るために未来を捨てるか、

そんなハイテク農業と登場人物たちの終わりのない追いかけっこに

最後まで目が離せません。

内部通報から始まり、
上司(校長先生)への報告、
組合や出版社等、外部機関への通報…

正義を訴えた者が、ことごとく悪者にされ居場所を無くしてしまう世の中で

犯人を突き止めることができたとして、何もできない無力さが追い討ちをかけてきます。

自分の身は自分で守るしかない。でもどうやって….?

この一冊から聞こえてくる、いろんな立場のいろんな人の声に耳を傾けながら
私が今食べているもの、選んでいるものについて考えさせられました。

ノンフィクションさながらのリアルさ、切迫感、そしてじわじわ漂ってくる恐怖心。

完全な悪者がいないからこそ、先が気になってしょうがない。
600ページ、一気に読めてしまうほど面白い作品です。

日本にやってきた出稼ぎ労働者たちが体験したこと【感想】ネタバレなし

大手企業のコスト削減のターゲットとなるのがパートや派遣、そして海外からの出稼ぎ労働者たちの待遇。

本作では食の安全に関連付けて、安い賃金で厳しい環境の中で働いている彼らにも焦点を当てています。

会社の不祥事で身を追われ、サラダ工場でパートタイマーとして働き始めた主人公のひとり・栄実が目にした悲惨な雇用形態、職場環境を

フィリピンやマレーシアからやってきた者たちは、こんな恵まれた職場はないと喜ぶ。
セクハラをする男性社員を優しいと言う。

それだけ今までのところが悲惨だったのだ。

企業が彼女たちを”労働者”としてではなく”研修生”という名目で引き取っている意図、
どんなに辛くても、過酷な労働時間で体をおかしくしても

滞在期間中に働かなければ借金を返せないという彼女たちの焦り

故郷に帰っても仕事がない。お金がない。
ここでお金が稼げさえすればそれでいい。

私たちからこの職場を奪わないで!

栄実の気遣いや忠告が彼女たちへの攻撃と化してしまうことにやるせなさを感じる。

日本で技術を学んで故郷に持ち帰って生かすはずが、日本嫌いを育て上げている現状。
“この先彼女たちは二度と日本に来たいとは思わないだろう”

栄実の寂しげな本音が胸をうちました。

ハイテク農業、ナノテクノロジー…
高度な技術が進んでいく中で、ずさんになっていく表に出ない見えない部分。

栽培環境と労働環境。

私ひとりでは何もできないし、解決もしない。
でもこういうことが起こっている、起こりうることを知っておくだけでも

この先の自分の判断・選択が少しずつ変わってくるのかもしれない。

複数の社会問題を多方面の視点から捉えている本作は、
大学で受けた授業や参考書より何倍も面白くてわかりやすい。

難しく考えないで、ただサスペンスとして読むだけでも楽しめます。

興味がある方はぜひ手に取ってみてほしいです。

最後までありがとうございました。

今日も素敵な1日を♪
れんげ

 

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