れんげ
私は、年間250冊以上小説を読んでいるインドア女子です。このブログでは私のおすすめ小説、本を読んで感じたことをそのまま感想文にした記事も書いています。
小説に興味がある方、読んでみたいけど何を手に取ったらいいか分からない方の本選びの参考にして頂けたら嬉しいです!
今回読んだのは、宮本輝さんの『彗星物語』です。
⚪︎海外の文化や家族のあり方など、様々な価値観に触れてみたい
⚪︎愛らしい登場人物たちが繰り広げる人間ドラマが読みたい方にぜひおすすめです
「彗星物語」 著者:宮本輝 / あらすじ・感想
12人の大家族と一匹の犬が暮らす賑やかな城田家は、
ある日、ハンガリーから留学生を迎え入れることになり…
留学生がやってきてから帰る日まで、
笑いと涙ありの3年間を描いた家族小説。
<感想>
くすくす笑いが止まらなくて
気づいた時には、涙が頬を伝ってる…
新年早々、
素晴らしい物語に出会えました。
宮本先生の
こんなにハートウォーミングな物語を読んだのは初めて。
この方はどうしてここまで
いろんな人間の心が分かるんだろう。
そしてそれを、
自然で美しく流れるような文章で表現できてしまうんだろう。
安心して楽しめる、
宮本先生らしい人間描写が光る作品でした。
異文化、歴史の中を生きる人と出会い
自分と違う価値観に衝撃を受ける体験
煩わしくほっとけない家族の温もりを
胸一杯に感じて
私をどこまで虜にさせるのか…
物語の世界を満喫させてくれました。
12人の家族と
自分を人間だと思っているビーグル犬。
さらに
ソ連の統治下だったハンガリーから
日本にやってきた留学生のボラージュ、13人と一匹
心の傷や悩みを抱える登場人物、ひとりひとりに
スポットライトが当てられていく本作では、
兄弟、親子、夫婦、離婚、国際交流、そして恋愛..
大家族ならではのあらゆる人間ドラマが展開されていきます。
他人の価値観とぶつかった時
どう振る舞うか、どう捉えればいいか、
自己を損なわないために関わるべき人間の見方は。
家族という存在意義そのものについて、、など
ソ連に全て管理されるハンガリーで生きてきた留学生ボラージュが
城田家の問題ひとつひとつに助言するシーンには毎度鳥肌がたちました。
涙を流しながら懸命に何かを伝えようとする姿
彼の拙い日本語に
真剣に耳を傾けている小さい子供たちの様子が
映像となって目の裏に焼きついています。
教え教えられ、学び影響し合う両者。
ボラージュ自身もまた
日本人のおもてなしの心や思いやりを
日本の家族から体当たりで教えられていく。
“異文化交流を果たす”とは
こういうことなのかと
本当の意味で
「他人を理解すること」の難しさを痛感した。
そんな重苦しいシーンを
ふにゃふにゃに和らげてくれたのが…
自分を人間だと疑わない飼い犬フック。
ひとつもセリフはないくせに
この物語の中で、ひときわ存在感を放っていました🤭
空気を読んだり、喧嘩の仲裁に入ったり、
いつもメス犬を追いかけている彼の家族との
チャーミングな掛け合いが
たくさん登場します。
フックと末っ子(一番かわいい)、
フックと祖父、フックと母、フックと父、
フックと留学生。
気づけばいつもすぐそばにフックがいて
周りの人間を癒してくれる☺️
ペットがいる方、動物が好きな方は
感情を根こそぎ持っていかれると思います。
ーー人も時間も何もかも
突然姿を現し、突然姿を消す。
このタイトルの意味が分かった時、
深い感動が心を包み込みます。
同じ1日はもう二度とやってこないから
今この瞬間を大事にしたい。
嫌な気持ちが和らいで、
身の回りのすべてが愛おしく思えてくる
そんな力がある物語でした🍃
心が癒される物語、
これから何度も活躍してくれそうです☺️
では、また🐰
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