れんげ
私は、年間250冊以上小説を読んでいるインドア女子です。このブログでは私のおすすめ小説、本を読んで感じたことをそのまま感想文にした記事も書いています。
小説に興味がある方、読んでみたいけど何を手に取ったらいいか分からない方の本選びの参考にして頂けたら嬉しいです!
今回読んだのは、玉岡かおるさんの『お家さん』です。
⚪︎あらゆる人生観に触れ、人の幸せ・人生について考えさせられる物語と出会いたい人
⚪︎歴史的人物の生き様が描かれた大河小説が好きな人
⚪︎日本経済・大企業が出来るまでの歴史について知識を深めたい人
「お家さん」 著者:玉岡かおる / あらすじ・感想
大正から昭和にかけ、
小さな商店から始まり、日用品、米や鉄鋼にいたるまで
何もかもを扱う巨大商社へと急成長した、鈴木商店。
日本一の年商でその名を世界に知らしめた鈴木のトップには、
「お家さん」と呼ばれるひとりの女が君臨した。
日本近代の黎明期に
企業戦士として生きた男たちを支え続けた
“伝説の女”の物語。
<感想>
気持ちの昂りがいつまで経っても冷めてこない。
作家・玉岡かおるさんの筆力、取材力、表現力に打ちのめされました。
読み終えた後の感動の大きさ、
全身で感じた興奮の震えとラストの清々しい心地良さは
間違いなく今年一番です。
得るものばかり、学ぶことばかりだったこの物語に
これから何度もお世話になろうと思います^^
三井・三菱・住友、日本の三大財閥に一泡吹かせた巨大商社、
鈴木商店の歴史を女性創始者、鈴木よねの視点で捉えた本作。
日清・日露戦争を経て、日本経済の成長ぶりや
日本が世界に追いつこうと動いていた時代背景が
とても分かりやすく描かれています。
いつの時代も手探りで、失敗や犠牲を出しながら少しずつ進んでいる。
人間も、戦争も、ビジネスも、
そんな個人個人を簡単に巻き込んでしまう時代の流れも…
仕事へのモチベーション、好きなことで食べていくということ
人間関係や自分とは違う人生観と出会った時の捉え方…
たくさんのことを教えてもらえました。
小さな商店から世界的商社へと裏で支え続けたよねさん
彼女の生き様からは
「女性の生き方は一つではない、自分で見つけていける」と…
それはもう力強く伝わってきます。
私の読書ノートは彼女の立ち回り、言葉、決心、考え方で
みっちり埋め尽くされました。
男たちの「家」を完璧に守りぬく女性に、
女の居場所から踏み出し男たちの中の「主将」となり働く女性、
そして両方をこなしながら、家にいる女たちに生きる目的(職)を与えていく女性…
これまであまり着目されてこなかった女性陣の活躍が
本作の最大の魅力です。
誰もが自分の幸せよりも
守るべき者のために「自分にできること」を探し生きている。
温かい涙が込み上げてくる瞬間と何度も遭遇しました。
信念のぶつかり合いが繰り広げられていく壮絶な人間ドラマですが、
登場人物たちの仕事愛や仲間愛、利益だけを目的としない志の高さ
そして何より、
創始者よねの社員皆を大切に想う気持ちの大きさに
心揺さぶられっぱなしです。
これが日本の商業を世界へと知らしめた人たちなのか….
その覚悟、その潔さ、そして想いの深さ。
男女問わず、その生き様のかっこよさに見惚れてしまいます。
これこそが鈴木よねの人望、観察眼の凄さか。
そして、そんな彼女の弱さや表に出さない感情をも
全て豊かに表現してしまった著者にも感服。
心の底から湧いてくる感動と興奮を抑えるのが大変でした。
しばらくこの壮大な物語の余韻に浸っていようと思います。
みなさん、今日も素敵な読書時間をお過ごしください。
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