美しい顔を眼鏡で隠し、田舎町で息をひそめるように生きる優等生の遥名。
早くに母を亡くし周囲に貶されてばかりの落ちこぼれの温之。遠く離れた場所で所在なく日々を過ごしてきた二人の〝ハル〟が、
あの3月11日、東京で出会った――。
何度もすれ違った二人結びつけた「しるし」とは? 出会うべき人と出会う奇跡を描いた、心ふるえる愛の物語。
登場人物
子供のころから周りと同じことができない。
みんなと同じじゃないから先生に怒られて、
親には心配されて。
でも、違和感を持たずに..自分をしっかり生きているハル。
みんなと同じにしなければ。
思ってないことを口に出して、笑顔を見せて..
地雷を踏まないように
一生懸命取り繕って話を流して、
違和感を抱きながら周りに合わせて生きているもう一人のハル
こと、遥名。
そんな、ふたりの物語です。
健太との友情関係
ハルと健太くんの友情関係がとても好き。
ハルのことを変なやつと思う周りの友人たちの中で、健太だけ…
自分に正直に生きててすげーじゃん。
こいつかっこいいじゃんって気づいた瞬間。
風がすーっとぬけるように..
鳥肌がたちます。
そこからずっとハルのことを守ろうとする健太くん。
と、常にマイペースなハル。
働かない蟻は何のためにいるんだろうって話も健太くんがハルにしていて…
行列からはみ出すやつは、いざと言うときのための人間なんだ。
目の周りがじわじわ熱くなった。
こういう友情を一生ものの宝物って言うんだろうなあ。
どっちかといえば、私は小さい頃からずっと遥名みたいな女の子だったからハルみたいな人がずっと羨ましいって思っていたので
個人的にハルがどんなことを考えていたのか、
他人に対してどういう感情を抱いていたのか..とても興味がありました。
読み手によってこれは分かれるのかな。
二人の出会い
それは唐突でした。
ハルと遥名。
二人には「しるし」が見えたという。
「しるし」とは、なんだったのでしょう。
ぜひ本作を読んで読み取ってみてください。
つまづいたり、辛い思いをしたり、逃げてみたり…
叶わない恋に落ちたり、我慢したり..
思い通りにならないけれど、
遠まわりしてしまうけれど…
人生がまだまだ先に待っているって思うと嫌な記憶さえ、大切にしまっておきたくなる気がします。
読みやすい長さですが、心を動かされるには十分すぎる物語でした。
興味があったら、ぜひ読んでみてください。
最後までありがとうございました。
れんげ
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