【感想】恩田陸の「木洩れ日に泳ぐ魚」読了。スリル満点の心理戦ミステリー!

おはようございます。れんげです。

本日は、恩田陸さんの「木漏れ日に泳ぐ魚」を紹介します。

恩田陸さんのミステリー小説は、登場人物の心情の機微が丁寧に描かれていて考えれば考えるほどハマっていくストーリー展開が魅力的なんです!

この作品も、複雑な人の心情と事実が入り混っていて、上手く読者を困惑させていると思います。

最後まで、目を反らせず一気読みしてしまいました。

木洩れ日に泳ぐ魚 (文春文庫) 恩田陸
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ストーリー

アパートの一室で双子の兄妹が共に過ごす最後の夜。

一年前の不慮の事故からお互いを疑い、束縛し合いながら過ごした重たい時間を経て、たどり着いた彼らの答えとは。

感情の矛盾に戸惑いながら崩れていった彼らの関係。

ーーー私たちは何も共有してこなかった。共有していたと思ってたものは皆幻想だった。

根本から覆される驚愕のラストにあなたは震えるだろう。

夜中に繰り広げられる心理戦、恐怖と悲しみに満ちた物語。

こんな方におススメ!

・ミステリーが好き
・人間のリアルな心情が交差する複雑な物語が好き
・胸騒ぎがするほどドキドキする展開が読みたい

読みやすさ (難易度)

ストーリー
(4.0)
構成
(4.5)
登場人物
(3.0)
Total
(4.0)

恩田陸さんの数々の作品の中では、登場人物が少ないという点とアパートの一室ですべてが起こるというシンプルな設定という点で、読みやすい一冊だと思います。

章には分かれていませんが番号が頻繁に振られていて、部屋の中にいる男女二人を交互に主人公として話が展開されていきます。

この構成が、ストーリー内容に妙に合っていて読者が引き込まれていく要素になっているのかなと感じました。

見どころ

物語の終盤に明らかになる二人の衝撃的な事実に驚嘆させられます。

序盤の部分で、恩田陸さんがなかなか、主人公2人の名を語らなかったのはこの真実を匂わせるためだったのかなと、後からひそかに思いました。

様々な人間の顔を感じるこの小説は、私に行き場のない悲しみと切なさ、憤りとやるせなさを残していきました。

この複雑さを表現できてしまう恩田陸さん。。ますますファンになっていきます。

感想

ここからは、私が個人的に気に入っている台詞や文を抜き出して自由に感想を書いていきます。

誤字脱字や稚拙な表現が目立っていると思いますが、よかったらどうぞ優しい目で覗いて行ってくれると嬉しいです。

ネタバレを含んでいますので、先に読了をおすすめします。

小さい好奇心

大学生になってから家族であると知った千浩と千明が一緒に住もうと決意したとき…

あの男の元へ行ってみようと計画したとき…

彼らは面白半分、冗談半分だったかもしれない。そんな小さな好奇心が招いたあの事件と彼らが味わった苦しみと悲しみ。

きっと最初は予想していなかったはず。

彼女が言っていた。

今なら分かるのだが、私たちが求めていたのは、あくまでも「ドラマの予感」や「ドラマの可能性」であって、ドラマそのものではなかった。

軽い気持ちだったことが、最終的には二人の別離という悲しいドラマそのものになってしまうなんて。

よくドラマクイーンだとか、ドラマ好きの人という表現がある。

ドラマのヒロインを演じている快感が欲しいと、わざと引き金を探しに行くひと。問題・事件を引き起こすのが好きなひと。

避難の言葉として使われているように感じるが、こういうのもすべて予期せぬ方向へ曲がっていった結果ではないかなとも思う。

別に、日常にスパイスが欲しかったからではなくて子供心のような好奇心から沸いて出た行動が引き起こしてしまった予期していなかった事故。

誰しもが経験あることだと思った。

そして学んでいく。

結末を予想できるようになっていく。

淋しさ、傷つくことを避けたくて無意識に目をつぶる。

大人の知恵。心を守るための知恵というものを覚えていくんだ。

とても共感した。

あの男

この小説の中で一番恐ろしいと思ったこと、それは千明が最後に予想した”あの男”が崖から落ちた真実だった。

子供を抱いた母親(あの男の妻)が崖の下からじっと様子を見ている様子。

男が落ちた瞬間、彼らは何も見なかったかのように早々と立ち去っていく様子。

文章を読んでいるだけで、私の中に鮮明な映像となり恐怖で身震いした。

千明の憶測だが、彼は演技をしてくれている子供たちと妻を会わせてしまったとき、子供たちが傷ついてしまうのを避けようと
必死に防ごうとしていた。

妻の立場からすると不安で仕方ない気持ちも分かるし、疑ってしまうのは当たり前だと思う。

自業自得

そんな言葉が頭を過る。

そして、親子である千浩も。。。

とても自分勝手でこれまで、千明を振り回していた彼。

実沙子という新しい世界に行こうとしている直前も、千明の愛情を求めている彼の身勝手な性格はとても腹立たしい。

私は千明に新しい地で、千明を心から愛してくれる彼と一緒に幸せになってほしいと願う。

最後に

彼らの関係、彼女が見た白昼夢、あの男の死の真実、小説の中盤から文章を食い入るように読んでしまいます。

読み込んでしまうと人間不信になってしまいそうなリアルな心情の描写が絶妙です。

是非、手に取って読んでみてください。

本日も、最後まで読んで頂きありがとうございました。

れんげ

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