「もう、ずっと前から義兄(あに)のことが好きだった」
姉は若くして逝き、残された義兄と弟はひとつ屋根の下で暮らしている。
会社では無理難題を持ちかける役員のもとで秘密の業務にあたり、私生活でも奇妙な事件ばかり。
日増しに募る義兄への思いと、亡き姉への思慕。
弟のもどかしい恋の行方と彼の騒がしい日常を色濃く描いた連作短編集。
こんにちは、れんげです
この記事を書いている私は、
月30冊、年間250冊以上の小説を読み漁っている小説好きのOLです。
長い長編ものや読解が難しい純文学、そして慣れない古い日本語が並ぶ時代小説も読めるようになり、読書の幅を日々広げながら楽しんでいます。
私のブログでは私がこれまで読んできた小説の紹介や感想、私がここまで読書ができるようになった読書術などをご紹介しています。
レモンタルト
というかわいいタイトルとは裏腹に、危険なにおいがぷんぷんする物語。
前にもこういう展開あったなあ。美味しそうなタイトルに誘われて選んだが矢先…全く想像つかない物語に遭遇してしまったこと。
彩瀬まるさんの「神様のケーキを頬張るまで」という作品。
興味がある方はぜひ読んでみてください。短編集です。
レモンタルトはしっかり登場しています。
レモンタルトのふんわり爽やかなレモンの香りとサクサクのタルト生地。
ぜひ、想像しながら読んでみてください。
あまりのギャップに仰天しますw
主人公の士くんは何かと抜けていていろんなことに巻き込まれてしまい散々な目に合ってしまいます…
どういうことなのか探りながら読んでいく本編。
登場人物のキャラも思惑もモヤモヤつかめず…
読み進めていくと…
まさかの展開
終盤でハッとする。
私はBL小説を読まされている…
表現がとてもナチュラルで、全く気づきませんでした。
主人公の周りに登場する、ありとあらゆるタイプの男性たち。
主人公の亡き姉の夫。義兄のさりげないかっこよさ、
守備範囲広くて主人公がピンチの時はいつもきてくれる。
そして、悪い男の風格むんむんで主人公に対してだけちょっと意地悪なY、
あと、主人公にひどい言葉を浴びせていながら本当は構ってほしいM、
最後に登場してきた、めっちゃ要領も頭も良さそうな就活生も今後主人公と何か起こりそうな予感。
..
主人公が社内や道バタでとても理不尽に殴られなじられていたと思えば、いきなりおかしいことになっている。なんだこの展開。
色々とクセの強い世界でした。
いつも周りから犬のように扱われて、かわいそうな主人公。
それでも、結局むちゃくちゃ可愛がられているんだなって読んでいてわかるところ。
読んでいるこちらは微笑んでしまいます。
読み返してみるといろいろなところに二人の恋路のヒントとなるセリフや場面が散りばめられていました。直接的な表現は、「もう、ずっと前から義兄(あに)のことが好きだった」の一文だけだった気がします。
性描写とか一切ないのに、大人の色気(男の人の)をここまで感じられる文章を描く長野さんがすごい。
長野まゆみさんはこれを描いてるときこっそり微笑んでたかな..なんて(●´ω`●)
そう、これはハイスペックイケメン揃いの小説である。
そういえば、レモンタルトの他にも美味しそうな料理が登場していました。
義兄のことを想いながらも、その義兄を愛していたお姉さんとの思い出を何度も思い返す主人公…
ご興味ある方は是非手に取ってみてください!
それでは本日も素敵な読書時間をお過ごしください。
れんげ