れんげ
この記事を書いている私は、年間読書量250冊・小説好きのインドア女子です。このブログでは、私が本を読んで感じたことや心からおすすめしたい物語をご紹介しています。本選びの参考にして頂けたら嬉しいです
これまでに200人以上のお客様の人生に寄り添う一冊をお届けしてきました。
年間250冊の読書量と、一人一人との対話を大切にした選書経験を活かし、
今回は2024年に出会った小説の中から、
疲れた心をそっと包み込んでくれるおすすめ9冊をご紹介します。
優しい世界観、温かな人々との出会い、心安らぐ風景描写——。
日常から少し離れて、物語の中でゆっくりと心を休ませてみませんか。
・仕事や人間関係に疲れている
・心がモヤモヤして落ち着かない、読書で心に余裕が欲しい
・優しい物語に癒されたい
・日常から少し離れた世界を旅したい
・穏やかな気持ちで読書を楽しみたい
コンテンツ
今年出会えて良かった!心が癒された現実逃避におすすめの小説BEST9
第9位『雪の練習生』多和田葉子
あらすじ: サーカスの花形から事務職に転身し自伝を書き始めた「わたし」、伝説の芸を成し遂げた女曲芸師ウルズラとの思い出を持つ「彼女」、そして動物園の人気者となった「ぼく」。三代のホッキョクグマたちが紡ぐ、優しくも物悲しい物語。
・美しい文章に癒されたい人
・静かな問いかけとともに心を休ませたい人
・ファンタジックな世界観に浸りたい人
<小説好きれんげの感想>
動物の目になって人間という生き物を見つめてみる。
人間の言葉を喋り、自伝を書き始めるシロクマの日常から始まる本作は
私たちの日常ではあり得ない情景が容赦なく次々と繰り出されていきます。
シロクマたちの放った言葉が著者の問いかけとなって
そのまま読者に向けられ、頭に浮かんでくる「なぜ?」を
すごく大事にしてくれる物語でした^^著者の自由な発想、ユーモアで溢れたこの
物悲しい世界に魅せられてまだまだ余韻に浸っていたい気分です。
第8位『姫椿』浅田次郎
昭和から平成を生きる人々の哀愁漂う日常に、不思議な温かさと希望を見出す物語集。
あらすじ:ペットを失った女性、人生の岐路に立つ経営者、妻との別れを受け入れられない大学教師——。様々な悩みや寂しさを抱えた人々の物語が、短編として織りなされていく。
人の不幸を食べて生きる不思議な生き物「獬」の物語や、二つの人生を生きたマダムの最期を描く「マダムの咽仏」など、現実と幻想が交錯する温かな世界が広がる。
・隙間時間に癒しの読書を楽しみたい人
・人生の機微に触れる優しい物語が好きな人
・日常に小さな魔法を見つけたい人
<小説好きれんげの感想>
世にも奇妙な物語で出てくるお話のような不穏なものもあれば、ほんのり涙を誘う深イイ話も突然顔を出してくる。
昭和から平成を生きてきた人たちの
不安定さと寂しげな雰囲気に包まれた哀愁漂う世界が素敵でした。
隙間時間にさくさく読めて心にじんわり広がっていく、人間の魅力。
ひとつひとつのお話を、独立した長編物語として読んでみたい
隙間時間や移動中のお供におすすめしたい短編集です。
第7位『怪しい店』有栖川有栖
・昔ながらの商店街の雰囲気に癒されたい人
・関西弁の温かい掛け合いで心を和ませたい人
・通勤・通学の隙間時間にサクッと読める本を探している人
<小説好きれんげの感想>
一冊で色んな味を楽しめる、短編集ならではの楽しみ方を存分に満喫!
どの事件も提示される条件は主人公と同じで、
証拠も人物のアリバイも全て読み手に公開された上で
私も推理ゲームに強制参加。
もう少しなのに答えに辿り着けない楽しさと
謎が解けた時のスッキリ感が爽快です。
第6位『河岸忘日抄』堀江敏幸
・静かな時間の流れに身を委ねたい人
・コーヒーと読書が好きな人
・一人の時間を大切にしたい人
<小説好きれんげの感想>
主人公のとめどなく流れていく思考をただひたすら時間をかけて味わっていきます。
コーヒーの香り、心地良い揺れ、ずっと先まで見える窓の景色
そしてどこまでも無音の空間。
文学らしい、文学にしか成し得ないものがひたすらに詰まっていました。
フランス文学を思わせるような
哲学的で一方通行な彼の思考にどうぞ付き合ってみてください。
必ず、クセになりますから。
第5位『透光の樹』高樹のぶ子
・大人の繊細な恋心に浸りたい人
・古都の風情ある世界観を楽しみたい人
・静かな余韻のある物語を求めている人
<小説好きれんげの感想>
大人の恋愛ならではの心の動きやひとつひとつの場面を彩る情景が
映像を見ているかのように繊細。
金沢の壮大な自然と登場人物の心情描写の絶妙なバランスが創り出した美しい場面が本当に素晴らしく余韻にしばらく浸っていたくなる一冊でした。
第4位『まち』小野寺史宜
・優しさと厳しさが混ざり合う家族愛に触れたい人
・心が洗われるような清々しい物語を求めている人
・新しい生活への一歩を踏み出そうとしている人
<小説好きれんげの感想>
言葉では言い表せない、温かい気持ちでいっぱいになりました。
身内には厳しく他所様にはとても礼儀正しい温厚なじいちゃんの人柄。そして
それを受け継いでいるかのように寛大で素直な主人公。
じいちゃんの生き方そのものを目で見て肌で感じて
自分の生き方に反映していく主人公の姿が感動的でした。
思いやりのある人がたくさん出てきて、読んだ後こちらの気持ちが軽く楽になっています。
第3位『海うそ』梨木香歩
・忙しい日常から少し離れたい人
・新しい視点との出会いを求める人
・静かな思索の旅に心惹かれる人
<小説好きれんげの感想>
実在しない島を、ここまでリアルに描ききってしまう梨木香歩さん。
物語としての面白さだけでなく、興味の新しい領域を広げてしまう彼女の筆力に圧倒されました。
日本史、民俗学、文化人類学…興味がない人でもこれを読むと好奇心が掻き立てられるほど、ストーリー性もうっとりするほどの鮮明な自然描写が素敵な一冊です。
第2位『山の音』川端康成
・心の機微を静かに味わいたい人
・穏やかな時の流れを感じたい人
・人生の深い味わいを求める人
<小説好きれんげの感想>
穏やかで淡々と進む物語の中に時々見え隠れする
ひとりひとりが抱えた狂気。
戦後の時代を投げやりに生き始める男たちと
それを黙認するしかない状況で生きる女の悲しみ。
遠い遠い昔ではないのに別世界の光景を見ているような
この時代独特の、ほの暗い雰囲気や人間模様が
なぜか本を手放せない心地よさと矛盾していて
読後は不思議な気持ちに包まれます。純文学の魅力が凝縮された一冊です。
第1位『きみの波が聞こえる』乾ルカ
・純粋な心の触れ合いに癒されたい人
・美しい情景の中で心を休ませたい人
・余韻の残る物語を求めている人
<小説好きれんげの感想>
いつまでも消えない余韻が好きなシーンを何度もフラッシュバックさせてくれる。
波の音、夕焼けが目の前に浮かぶような情景描写に癒されながら味わう、
生きづらさを感じているふたりの少年の友情物語。
作家、乾ルカさんの徹底した理不尽さから生まれる恐怖心が現実の厳しさを示唆しつつも、
希望をもたらしてくれるラスト。これはバッドエンドなのか、ハッピーエンドなのか。
涙無しでは読めません!
まとめ
今回ご紹介した9作品は、
それぞれが独自の方法で私たちを日常から優しく解放してくれる物語です。
いかがでしたでしょうか。
時に幻想的に、時に懐古的に、そして時に哲学的に。
様々な形の「現実逃避」は、きっと疲れた心に新しい風を運んでくれるはずです。
物語の中で出会う人々の優しさや、美しい情景の数々が
あなたの心に寄り添う特別な一冊となりますように。
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