れんげ
私は、年間250冊以上小説を読んでいるインドア女子です。このブログでは私のおすすめ小説、本を読んで感じたことをそのまま感想文にした記事も書いています。
小説に興味がある方、読んでみたいけど何を手に取ったらいいか分からない方の本選びの参考にして頂けたら嬉しいです!
今回読んだのは、乃南アサさんの『六月の雪』です。
◎ドロドロしていない、深い人間ドラマが好き
◎母娘・家族の在り方について様々な考え方・価値観に出会いたい方
「六月の雪」 著者:乃南アサ/ あらすじ・感想
声優の夢が破れた未来は、
入院中の祖母を元気づけようと祖母の故郷である台湾・台南を訪れることを決意する。
祖母の人生を辿る7日間の旅。
台湾が植民地だった日本時代の景色が浮かび上がり
残された台湾人と故郷を去っていった日本人の涙を目の当たりにする。
<感想>
ーーあなたたちは昔、
私たちにひどいことをたくさんした。
昔のことだから大丈夫…と
顔は笑っているのに目は笑ってない、
台湾の友人に言われたこの一言が忘れられない。
台湾が日本の植民地だったことさえ知らなかった私は
自分の無知さが恥ずかしくて、
聞き返すこともできなかった。
本当は日本人のことを憎んでいるの?
じゃあ、なぜ私にこんなに良くしてくれるの?
目が合うたびニコニコ笑いかけてくれたご両親の本心は日本が嫌いなの?
私の中で今までモヤモヤしていた部分を
この物語と出会えたおかげで綺麗に取り除くことができた。
視界が一気にクリアになって
今やっと初めて..
台湾を身近に感じることができた気がしました。
人の表情、話す言葉、地元の食べ物
昔の日本を思わせる家々や一面に広がるサトウキビ畑
主人公の目に入ってくるもの全てにワクワクしながら
美しい情景のその先に..
歴史の教科書や授業では
絶対に絶対に得られない 、
「人の心」が織り交ぜられた深い異文化理解が私を待っていた。
初めて知る歴史への衝撃と
台湾人の心の片隅に今も残っているであろうしこりに
心を締め付けられながら…
台湾にまた行ってみたい気持ちで満たされた読後感。
きっとこの主人公視点だから捉えることのできた台湾が
真っ直ぐ心に響いてきました。
家族の在り方・価値観、
台湾人のお金に対する執着心がどこから来ているのか..
そして、彼らの中で「長女に生まれること」が持つ意味とは..
歴史や文化の違いはあるけど、
それでも相手を理解しようと押し付けずに歩み寄ろうとする人と人
ショックを受けて、それでいて温かいものが流れ込んできて..
未来の平和を祈らずにはいられなかった。
旅行記の面白さだけで終わらないところは
さすが乃南アサ。
自分の未来と家族と過ごす時間、
後悔しない生き方についてじっくり考えさせてもらった
素晴らしい読書体験でした。
それでは今日も素敵な読書時間をお過ごしくださいね。
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