【乃南アサ・大河ドラマ級おすすめ長編!】激動日本を生きた者から学ぶ「今、生きている」ということ。女性たちの壮絶な生き様に何度も心震える読書体験

年間250冊読む読書家 れんげの本棚-心に響く小説を紹介します

れんげ

こんにちは、れんげです
私は、年間250冊以上小説を読んでいるインドア女子です。このブログでは私のおすすめ小説、本を読んで感じたことをそのまま感想文にした記事も書いています。
小説に興味がある方、読んでみたいけど何を手に取ったらいいか分からない方の本選びの参考にして頂けたら嬉しいです!

今回読んだのは、乃南アサさんの『地のはてから』です。

読みやすい
(3.0)
人間ドラマ
(4.5)
読み応え・深く考えさせられる
(5.0)
歴史を学べる
(5.0)

おすすめしたい人
⚪︎日本の歴史と共に変化してきた女性の生き方・人生観に触れたい
⚪︎志高く、強い心を持つ女性が主人公の物語が読みたい
⚪︎共感と学びが豊富な壮大な人生劇を味わいたい、

プロがあなたにピッタリの一冊を選んでくれる。新しい読書体験

「地のはてから」 著者:乃南アサ / あらすじ・感想

原生林に覆われた極寒の地、北海道 知床に
最後の夢を託し移り住んできた一家。

今日から明日へ..ただ生き延びることだけがすべて。
時代の流れに翻弄されながら懸命に生きる娘、とわの壮絶な人生が描かれる。

<感想>

学生時代に暗記した難しい用語や年号

その時は
想像なんてできなかった
開拓民たちそれぞれの心の中

アイヌ民との最初の出会いとか
どういう家族が開拓の地に移ったとか
戦争の影響、子供への教育はどうしていたとか

人の心情をしっかり絡めながら鮮明に描かれていく
情景は得るものばかりで衝撃的だった。

当事者でないと理解できないであろうことを
乃南アサさんが文章でもって
懸命に伝えようとしてくれている。

本作では、特に母親とその娘
女性視点で戦前〜戦後時代にかけての
日本開拓の様子を捉えていく。

新たなビジネスチャンスに闘志を燃やす者、
借金まみれでどうしようもなく夜逃げしてきた者、
まんまと言いくるめられた者、
そして、そんな者たちに引きづられるようにして
何も無いところへと連れてこられた女や子供…

ちょっと女性贔屓を感じさせるアサさんの描写が
今作でも強烈な魅力を放っていました。

いち女性として、いち読者として、
私は彼女の描く登場人物の
少々大袈裟なのではと思わせるくらいの表現、台詞、人となりが好き。

当時はきっと
表に出すことを許されなかった女たちの心の叫びを

ひとつ残らず掬い取り
彼女たちの代わりに世に放つ。

一言一言が心にずっしり響いてきて
でもそれだけでは終わらせない

希望を感じさせる読後がたまらなかった。

「チームオベリベリ」(帯広開拓)
「水曜日の凱歌」(戦後の慰安所)
「六月の雪」(日本の植民地だった台湾)…に続き※下にリンク貼っておきます。
今作も
時代や環境関係なく
もうこの先同じ想いをする人が現れないようにと

深い悲しみが強い祈りへと変わっていく
一体感が高まっていくような
大きな感動に包まれました。

「子供には自分と同じような生き方をして欲しくない」

と、愛する子に言い聞かせる母親の姿を
子供たちはどう感じていただろう。

かわいい娘を奉公に出すことも、
知らない家に嫁にやることも
息子を婿養子に出すことも…

果たして”幸せな暮らし”が何なのか
自分も体験したことがないことを
ただ無我夢中に信じようとする母親

そして娘もまた..
大人になり、
母の気持ちを完全に理解する瞬間が訪れる。

“女に学問は不要だ”と言われていた時代。
自分の人生に選択肢というものが無かった時代。

さらにそこに戦争が追加され
すべての矢印が悪い方向へと向かっていく。

厳しい時代に流されるしかない現実。

でも子供たちのため家族のために
常に前を向いて生きようとする、主人公の姿に
何度も心を締め付けられる読書体験でした。

 

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