私は、あなたとエスになりたい。
一度はこんな恋愛してみたい。
理性や自我を失うくらいだれかに夢中になる恋愛を。
孤独な青年雑貨店主と、心に病をもつ少女―Vivienne Westwoodの洋服を愛する二人が運命的に出会い、
はかない逃避行に旅立つ名作「世界の終わりという名の雑貨店」、
そして、MILKの洋服を華麗に着こなすカリスマ・ヴォーカリスト、ミシンに恋する少女の「乙女」としての生きざまを強烈に描いた表題作「ミシン」
下妻物語を描いた嶽本野ばらさんのデビュー作。
著者が教える乙女の極意
Vivian Westwoodを愛する二人。
MILKを着こなすパンクヴォーカリストを愛した少女。
どちらも愛が重すぎる。
だけど、その気持ち…分からなくもない。
むしろ心が痛くなるほど共感しました。
好きな人にだからこそ、あるがままの自分を見せたくない。
そんなものを見せ合わなくてもとびきりの仲良しな関係。
二人の間に理解なんて必要ない。
だって、もともと違和感がないのだから。
雪が降っていることを..ただ伝えたい。
上品な文章で描かれた詩的な純愛。
対して、表題のミシンもなかなか曲者で…衝撃的でした。
レスビアンではなく、エスな関係にこだわる少女。
…
死んで永遠の愛を証明して。
好きなものを好きでいること。
それは簡単なようでとても難しく、傷みにも耐える覚悟で貫き通す。
嶽本野ばらさんの魅力にやられました。
過激すぎると言えなくもないセリフ・表現が含まれていますが、そこが嶽本野ばらさんがこの作品に込められた力強いメッセージなのではないでしょうか。
乙女の極意..勉強させていただきました。
強い影響を受けた読者も多く話題となった一冊です。
ファッションが好き、過去に人間関係で嫌な想いをした経験がある
自分に自信が持てない…
そんな女性におすすめしたい。
ぜひ興味がある方は読んでみてください。
個人的に登場人物たちの異様なまでに上品な言葉遣いにどっぷりハマった私は、もうすでに次は何を読もうかとワクワクしています。
れんげ