れんげ
私は、年間250冊以上小説を読んでいるインドア女子です。このブログでは私のおすすめ小説、本を読んで感じたことをそのまま感想文にした記事も書いています。
小説に興味がある方、読んでみたいけど何を手に取ったらいいか分からない方の本選びの参考にして頂けたら嬉しいです!
今回読んだのは、天童荒太さんの『ムーンナイトダイバー』です。
◎東日本大震災を“忘れたくない”。心を揺さぶられる人間ドラマが読みたい
◎心に刺さる、静かな衝撃を読書で味わいたい人

あらすじ・感想
ダイビングインストラクターの舟作は、
立入禁止の海域で遺留品の引き揚げを手伝っている。
ある日、ひとりの女性が依頼者グループの掟を破り
舟作の前に現れる。
<本の感想です>
2011年3月11日14時26分
数えきれないほどの多くの命を奪っていった
東日本大震災。
日本中に天災の恐ろしさを改めて知らしめた
未だ見つからない者たちの遺品を求め
自分の生命を縮めながらも海へと潜っていく男を描いた本作
生き残ってしまった罪悪感、後ろめたさ
それでも残された者としての償いをしなければ…
違反行為でありながらも海へと潜り続ける彼の
ギリギリの精神状態
周りがどんなに慰めても
本人の葛藤は消えはしない。
正義感と罪悪感がせめぎ合う中で
自分が生きていていい理由を無心で探しているようで胸が苦しくなった。
大切な人の遺品を見つけることで
死を確認したいのか
それとも、
何も見つからないことを確認して
どこかでまだ生きているという希望が欲しいのか。
ーーーどうかこの人の物は見つけないでください。
遺品探しを依頼する者たちの混乱や迷い、
これから待ち受けている自分の人生への不安
大切な人の死を受け入れる苦しみが伝わってきて
言葉にできない感情で胸いっぱいになりました。
当時の私は大学生。
交通機関や連絡手段が全て閉ざされ
ひとり見知らぬ駅で野宿をした記憶が昨日のことのように蘇ってきた。
被災された方、亡くなっていった方が
どんなに怖い思いをされたことでしょう。
想像できません。
ひとりひとりがやり場のない悲しみと折り合いをつけようと
今もあの日までの幸福な日々を思い出しながら
毎日を過ごしているのでしょうか。
月明かりに照らされた真夜中の海
海の底に吸い込まれていった街
幻想的な情景描写が
深い悲しみと重なり
静寂な美しさが画面いっぱいに広がっていくようでした。
人間の無力さ
そしてゆっくり前を向こうとする人間の強さが描かれた本作
もし見つけたら
手に取ってみてください。
それでは、今日も素敵な一日を📚
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