【読むほどに溺れる、おすすめ純文学】一度は読んでおきたい、妖艶な人間描写 × 日本の情景美が最高!|読み終えても心に残り続ける余韻深き1冊

年間250冊読む読書家 れんげの本棚-心に響く小説を紹介します

れんげ

こんにちは、れんげです
私は、年間250冊以上小説を読んでいるインドア女子です。このブログでは私のおすすめ小説、本を読んで感じたことをそのまま感想文にした記事も書いています。
小説に興味がある方、読んでみたいけど何を手に取ったらいいか分からない方の本選びの参考にして頂けたら嬉しいです!

今回読んだのは、川端康成さんの『千羽鶴』です。

読みやすさ
(2.5)
繊細な心情描写
(4.0)
情景を楽しむ読書
(5.0)
日本文化の美
(4.0)

おすすめしたい人
◎繊細な情景描写や日本文化の美しさが散りばめられた世界に浸りたい
◎登場人物の本心を想像しながら物語を楽しみたい
◎人間関係の愛憎や執着が生み出す人間ドラマを楽しみたい

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あらすじ・感想

父の死後、母と暮らしていた菊治。母の死を機に、
父の元愛人・ちか子が縁談を取り仕切ようとお茶会を開くが、
もう一人の愛人・太田夫人とその娘も現れる。
亡き父の影を引きずる女たちの思惑と、菊治の葛藤が交錯する。

 

感想⬇︎⬇︎(ネタバレなし、本を読む前の人にどうぞ)

 

人物の過激な感情表現と、
穏やかに描かれる情景とのアンバランスさに
心が奪われる。

人間の激しさが背景に抑えられ、
背景の美しさが人物の放つ悲哀なオーラによって
より一層魅力を増す。

鎌倉円覚寺でのお茶会を舞台に

千羽鶴の風呂敷や志野茶碗、
茶室で扱われる様々な茶道具の味わい深さが
とても繊細に描かれている本作。

 

日本文化の美しさを随所で感じながら

物語を読む時間が、
何とも贅沢に感じられた。

 

亡き父の面影を宿す菊治をめぐる、女たちの静かで激しい争い。

 

ドロドロとした人間模様に心乱されかけるも、
川端康成の巧みな情景描写と、悲哀に満ちた女の心情が
読み手の感情を再び穏やかに流れさせる。

 

愛した人に身も心も支配され、
行き場をなくして彷徨う女たちに、
私は激しく揺さぶられました。

 

乳に痣があり、生涯子をなすことなく
主人公の世話を焼くちか子

父の最後の愛人であった太田夫人、

 

太田夫人が父と出会う前に生んだ娘、文子や
縁談の場でちかこに引き合わされた娘、ゆき子。

 

それぞれが纏う
妖気が漂うほどの女の艶かしい描写から目が離せない。

 

物語の後半で
文子が主人公に宛てた書簡が
私にとって、本作の最大の見せ場であった

 

菊治に対する想いの大きさと反して

「諦めなければならない」と
自分に言い聞かせるように旅に出た彼女の
心の内が何とも美しく、真摯に響いてきた。

 

一文一文を丁寧に読み取りながら
目の前に浮かんでくるのは
時間がゆっくりと流れている懐かしい田舎風景。

 

 

希望を感じ、救いがあり、
彼女に幸せになって欲しいという気持ちで満たされます。

 

共感もなければ、嫌悪も湧かない
でも異様なまでに物語に惹かれていく
この魅力の正体は何だろう。

 

この物語が未完なのはとても残念。
しかし、だからこそ、続きを想像する楽しさを
味わえたのかもしれません。

 

⚪︎繊細な情景描写や日本文化の美しさが散りばめられた世界に浸りたい
⚪︎登場人物の本心を想像しながら物語を楽しみたい
⚪︎人間関係の愛憎や執着が生み出す人間ドラマを楽しみたい

そんな方におすすめです。

今日も素敵な一日を📚

 

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