れんげ
私は、年間250冊以上小説を読んでいるインドア女子です。このブログでは私のおすすめ小説、本を読んで感じたことをそのまま感想文にした記事も書いています。
小説に興味がある方、読んでみたいけど何を手に取ったらいいか分からない方の本選びの参考にして頂けたら嬉しいです!
今回読んだのは、芝木好子さんの『隅田川暮色』です。
⚪︎男女の複雑な感情の交差、次から次へと展開される人間ドラマを楽しみたい
⚪︎古き良き日本の風景、歴史、そして伝統文化に触れる読書がしたい方におすすめです🍵🍃
「隅田川暮色」 著者:芝木好子/ あらすじ・感想
呉服問屋に生まれた冴子は、
内縁の夫の実家で営む組紐づくりに魅了され手伝いを続けている。
職人として技量を認められながらも、肩身の狭い思いを抱えていたある日、
八百年前の「厳島組紐」の復元計画に誘われる。
仕事の歓び、前妻の影、幼なじみとの再会――
隅田川のほとりに暮らす人々の心模様が、戦後日本の情景とともに鮮やかに描かれる。
<感想>
日本の伝統工芸
色鮮やかな「組紐づくり」の魅力が散りばめられた本作。
組紐づくりとは何ぞや、
まずそこからだった私は
職人たちの徹底されたプロ意識、
組紐に注がれる熱意に圧倒され
これを読み終わる頃には
組紐の美しさ、複雑さに興味津々になっていた。
八百年前の組紐を復元しよう、と
職人たちが一間に集まり作戦会議、次の会議まで
それぞれが寝る間も惜しんで思考を凝らし作業に励む情景に
胸打たれる。
好きなことに打ち込む、研究する、
誰も成し得たことのないことに挑戦する楽しさに
読み手の心もいつの間にか躍っている。
昔の人も好きなことにワクワクしていたのかと、
私も何か新しい挑戦を見つけたいと、
彼らが羨ましく見えました。
この物語の魅力は
組紐づくりだけではありません。
日本の伝統工芸の奥深さを味わえるとともに、
男女の心の機微が巧みに描かれた愛憎劇であることもまた
本作の大きな魅力です。
妻子持ちの男と駆け落ちし十数年。
親の死に目にも会えなかった彼女を
毎日のように襲ってくる後悔と自責の念
故郷や家族を懐かしく想う気持ちや
自分のこれからの人生のこと、
そして幼馴染との再会に揺れ動いてしまう心…
なかなか波瀾万丈な人生を歩んできた主人公へ
さらなる人生の選択肢が突きつけられます。
彼女がどの道を選ぶのか…
物語の行方を息を潜めて、静かに見守っていく。
主人公を囲む人間たちの葛藤や孤独が
戦後日本の暗くどこか寂しげな隅田川をたどるように描かれる文章に、
心を掴まれました。
さらにそこへ、
情緒豊かに彩られた日本の風景が広がっていきます。
なんて贅沢な時間。
目で追うたびに気持ちの良い美しい日本語で
激しいはずの人間ドラマや感情のぶつかり合いが
なぜか穏やかに響いてくる。
ストーリーが間延びせず
最初から最後まで何が起こるか予測できない面白さがありました。
ラストはどうなってしまうのか..
「自分だったらこうしたい」を想像しながら楽しめる一冊です。
では、また🐰
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