れんげ
私は、年間250冊以上小説を読んでいるインドア女子です。このブログでは私のおすすめ小説、本を読んで感じたことをそのまま感想文にした記事も書いています。
小説に興味がある方、読んでみたいけど何を手に取ったらいいか分からない方の本選びの参考にして頂けたら嬉しいです!
今回読んだのは、辻仁成さんの『白仏』です。
◎戦争を生きた人々の考え方に触れたい
◎物語で深い人間ドラマを味わいたい

あらすじ・感想
筑後川下流の島で生まれ育った稔は、亡くなった人々の魂を弔うため島中の骨で仏を作ろうと思い立つ。
戦中~戦後の日本で生きる青年が何を見、感じたのか…
<ネタバレなしの感想⇩>
「あなたのお祖父ちゃんは、戦争中
ずっと死体を運ぶ仕事をしていたのよ。」
まだ私が小さかった頃
周りの大人から聞かされたことがあった話。
私の前ではいつも笑っていたお祖父ちゃんが
戦争で死の数、恐怖、死人の感触を間近で見ていた。
そして何も語らないまま
この世からいなくなってしまった。
彼の心境を
主人公の人生に重ねずにはいられなかった。
明治、大正、昭和を通して
人の死の先に何があるのかを
考え続ける主人公。
生の前、死の先
魂は何処から来る?
そして死んだ後は、何処へ行く?
迷い彷徨い、
人の死や魂の行方が
人生の答え探しではないことに気づく。
哲学的かつ古典的、
著者の祖父の実話をもとに描かれた本作
終始、読み手が深い森の中に引っぱられるような暗さと凄みがあった。
嫁ぎ先で夫に殺された初恋の女
自分の手で殺してしまったフランス敵兵
戦争で死に、遺体も戻ってこなかった親友..
時代の不平等さ、不条理さを一切嘆かず
前を向く彼も
やっぱり私の祖父と同じで
戦争で見たものを語ろうとしなかった
それが
戦争の残酷さを一層際立たせていた。
死の呆気なさと時代の流れ、
残された者を照らす光が眩しいラスト
大切なことに気づかせてくれます🌱
今、私は生きている。
次第に心が休まっていき不思議と心地よかった。
新しい価値観との遭遇、
戦中の暮らしや思想を
鮮明に辿れる貴重な一冊でした。
今日も素敵な一日を📚
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