好きな人の好きな人に出逢ったら。
同居していた元恋人が家を出ていって、
彼の新しい恋人が突然うちにやってきて住み始めた。
まだ彼のことが好き。
でも彼は新しい恋人に会いにやってくる。
彼は、この子のどこにそんなに惹かれるんだろう。
苦くて切ない、だけど愛おしい恋愛小説。
れんげ
この記事を書いている私は、年間読書量250冊の小説好きインドア女子です。私が本を読んで感じたことをそのまま書いています。本選びの参考にして頂けたら嬉しいです
今回読んだのは、江國香織さんの『落下する夕方』です。
・いろんな恋愛観に触れたい
・失恋を引きずってしまっている、スランプから抜け出したい
・女の魅力について知りたい
切なくて、やり場のない悲しみとの向き合い方
恋愛のルールとか
自分のなかに当たり前のようにあった境界線とか
そういうのは、この物語では全部が覆されてしまう。
いちいち立ち止まって腹を立ててたら、
きっと江國香織さんの恋愛小説は楽しめないんだろうなって思います。
好きな人の好きな人にご飯を作ってあげたり
同じ部屋に寝たり、好きな人と彼の恋人が一緒にいる時間を知っていながらひとりで過ごしたり。
普通じゃ、耐えられないでしょう?
主人公の梨果は、それでも彼とどこか繋がっていたいって思うほど彼を好きで好きで好きで好きで、
どんな非道なことをされても許してしまって…
怒る資格もないのに、
それでも、彼とどこかで繋がっていたいと思ってしまう。
そして彼の新しい恋人にも惹かれていくーーー
でも本作の魅力はそこじゃない。
元彼の新しい恋人、華子。
彼女から無言で発される、孤独と寂しさ。
自分の帰る場所、心の拠り所を探し続けながら
ひたすら彷徨っていた。もがいていた。
一度出てしまったら、もう帰れない。
彼女のセリフに胸がぎゅってなった。自分が果たして共感したのかもわからない。
ただひたすら、寂しくて悲しい気持ちになりました。
そして、考えさせられる。
私には帰るところがあるのだろうか。そういう場所を必要としているのか。
前に前にと進んできてふと立ち止まったとき、
安心して帰りたいと思える場所。
「おかえりなさい」
華子が必ず梨果に向かって言っていた言葉。
きっと華子は、そういう居場所を作り出したかったのかな、
あるといいなっていう気持ちで言っていたのかな、
主人公をわざわざ第三者が語るところにこの作品の深い魅力を感じます。
はい。
私は、本作の主人公が華子だと思っています。
華子という存在、そういう人物がいたという事実を、
他の登場人物たちがどう思っているのか、
この先どう思い出して、どう背負っていくのか…..
そんなことを考えながらじっくり読みました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
あなたにとって素敵な1日となりますように。
れんげ
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